2011年4月15日金曜日

Vive Rusty Cooley !

 Rusty Cooleyがカッコよすぎてもうダメ
 ギターを高く構えてるので楽器持ったときのかっこよさはSteve DiGiorgioには劣りますが、間違いなくギタリストの中じゃ一番の憧れ。
 ガチムチボディの先についてるデカい手でのワイドストレッチを駆使しフィンガーボード上を縦横無尽に疾走するフレーズは耳によし目によしと流麗で美しい。
 得意・不得意でなく必要がないからだと思うがタッピングはあまり披露しないが、こちらも完全無比のスウィープと同じく達者なのだろう。
 しかしラスティ・クーリーの一番の魅力、それは超・力強いピッキングスタイル。
 野暮ったいロンゲにヒゲづらで、ギター演奏と共に毎日欠かさず身体の鍛錬にも励んでますってな筋肉質の身体をして、レガートに頼りがちで細々(こまごま)としたピッキングを身上としていたらなんとも情けない(と、俺は思う)。
 たとえばMichael Romeoはスキルは凄いと思うけど、弾いてる姿はかっこよくないです。
 この顔をしていたらこういうピッキングをするんだろうなあ!という、「人は見た目による」タイプ。
 日本語にはよい表現がある。「ギターを掻き鳴らす」。
 そう!ギターは掻き鳴らしてナンボ。複音であっても単音であっても。
 ラスティ・クーリーは力強く弦を掻き、7本の弦が張られた太い指板上で限界知らずに指を疾走させ、腕をあまり動かさずして一度にたくさんの音を鳴らし、豪~快にチョーキング&ビブラートをかます。
 Michael Angelo Batioを初めて聴いたときもぶっ飛んだもんですし、今でもあの名人芸の如き速弾きがたまに観たくなりますが、Rusty Cooleyを観るときは他のどのギタリストのプレイを堪能するときよりも羨望の眼差しを以って楽しみます。
 ひとえに、プレイが力強いから!
 私は「リキんで弾く」のが身上だと以前書きましたが、勿論彼はムダなリキみなどしていないでしょう。しかしとにかくその豪快極まるプレイは、virtuosoの評価に相応しいテクニックを持ちつつ単にクールなだけに終わらない、座って弾いても立って弾いてもブンブン揺れる身体としかめ面、その様がアツすぎて私の視線と注意・関心を捉えて離さないのです。あのピッキングの強さを維持するためにもしかしたら身体鍛えてるのかもしれないなあ・・・。
 クリニック主体の活動をしていたから一般人でも知っているほどの知名度を得ていないのだろうかと思ったが、それはMichael Angelo Batioも同じ。Nitroは売れなかったっていうし。しかしどう考えてもM.A. Batioの方が知名度が高い。活動期間の違いかな。
 Rusty Cooleyは色々なバンドで客演をしていますが、固定メンバーとして籍を置いた、メジャーレーベルとのディールを持ったバンドはOutworldだけのようです。元々限界ギリギリで歌っている感のあるHibriaIuri Sansonが更に無理をしているかの如きだが、同時に易々とこなしているように聞こえるボーカリスト・Carlos Zemaも「超人」枠ですよね。名前からするに彼もI. Sansonと同じくブラジル人か・・・今は落ち着いたような気がするんですけど、Angraがノリにノってた頃はブラジルのメタルシーンやブラジル出身のテクニシャンに向けられる目がアツかったですよね~。
 YouTubeにMrRustyCooleyというアカウントを持ってますが、よくぞ持っていてくれた、よくぞ色々な動画を披露してくれたという感じです。
 実力を考えると少なすぎるChannel Viewsですが、本来あるべき数多のアクセスによってやって来る新参者たちのためのスペースを比類なき音圧と音の洪水で埋めているかのようで、熱気は既に最高潮のチャンネルです。
 ソロ1stアルバムに収められているUnder the InfluenceDominionという曲を披露していますが、俺は後者の方がオススメ。Under the Influenceという名称が故仕方ないんだが前者はどうもインギっぽくて・・・凄いは凄いんだけどね、PVまであるし。いずれの曲も弾いた場所や時によっていくつかバージョンがありますが、Dominionは自宅での演奏をシュートしたデモンストレイションのようなものが一番聴き応えあります。
 これでFranz Lisztの如く一切手を見ず演奏していたなら、hérosを超越してまさにdieu de la guitareだったね。

 Vive Rusty Cooley !

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