2011年11月13日日曜日

歌を聴いて、久々に胸の締めつけられる思いがした

歌を聴いて、久々に胸の締めつけられる思いがした。
 
 イギリスよありがとう、あなたは本当に偉大な国だ。

"Concealing Fate"レコーディングラインナップ-ビデオ・Deception - Concealing Fate Pt 2より

Daniel Tompkins - Vo.
ダニヤル・タンプキンズ
Alec "Acle" Kahney - Gt.
アリク・“アクリー”・カーネイ ※A
James Monteith - Gt.
ジェイムズ・マンティース
Amos Williams - Ba.
エイマス・ウィリヤムズ
Jay Postones - Ds.
ジェイ・パスタウンズ

 最近ヴォーカリストが交代した、イギリスはレディング(Reading)出身のTesseract(テサラクト)。
 そして前ヴォーカリストの脱退&現ヴォーカリストの加入が切欠でこのバンドを知ったわけなのですが、初めて聴いて、冒頭書いたように「胸の締めつけられる思い」をさせられたのは、実は上の曲じゃないんです。これは俺の聴いたTesseractの2曲目。
 Tesseractの名前自体は、既にどこかで目にしたことがありました。どんなバンドかは全然知りませんでしたが。Metallumにも登録ないし。
 ヴォーカリスト交代&後任ヴォーカリストの歌が収録された最初の曲が公開されたというニュースを知ったのは、例によって2chの例のスレに於いてですが、そんときはただ見出しを読んだだけでした。
 動画の公開、ならすぐ飛びつくんですが、音源のみの公開を知らされても滅多にリンク先には行きません。全曲試聴とかなら別ですけどね。前少々の感想を書いた、AOL Musicで収録曲がすべて公開されているSaxonCall to ArmsSebastian BachKicking & Screaming、そしてGuitarworld.comでのTexturesDualism等がそれに当たりますね。
 さてその後何がきっかけだったか思い出せませんが、つべでTesseractの曲を聴いたわけですよ、その例の、後任ヴォーカリストが歌を入れた初めての曲っていう。Century Media Records所属のバンドなんで、同レーベルのチャンネルを観ようと入っていって、最初に選択されていた動画がそれだった、とかかも。
 その曲のタイトルは、Eden 2.0
 これのPVには一切バンドメンバーが出てこないので、仕方なくPVのあった曲、Deception, Concealing Fate Part 2で今回のバンド画像はつくりました。
 これの収録されているEP、Concealing Fateは2010年にリリースされました。
 はい、そうなんですね、上の画像に写っているヴォーカリストは、前任サンなんですね。交代で入ってきた男の名はElliot Coleman(エリヤト・コウルマン)。この男こそ、俺の心が泣くまで殴るのをやめてくれなかった張本人。 
 知らないバンドのことだったので当然ですが、新ヴォーカリストが歌った音源公開と言われても、正直「ふーん」ですよね。
 このバンド名も、その言葉の意味でなく、響きからなんだかクールぶってる印象を受けてしまって、まーったく期待せずにEden 2.0のPVを観たわけなんですよ。
 なんかDIR EN GREYLOTUSのパクリみたいな女出てきたー。
 こういう演奏って、やってて楽しいのかな?
 ・・・えっ?何このボーカル・・・?
 ・・・そして終わりまで観て / 聴いた私はこの1曲のみを以ってTesseractの永遠のファンになりましたとさ。
 「tesseract」は、日本語で言うと「正八胞体」だそうです。ja.wikipedia.orgに記事があります。ちなみにバンドのTesseractの記事も。
 この言葉の意味はEden 2.0もDeception, Concealing Fate Part 2も聴き終わった後で知りましたが、その響きだけで得体の知れないかっこつけ臭がプンプンすると感ぜられた私は正しかったようですね。「ナニソレ?」、「どーゆー理由でコレに?」としか言いようがないでしょう、バンド名として。
 まぁでも言うまでもないことですが、もう拒否感はありませんよ。感動を与えてくれた素晴らしいバンドが持つに相応しい個性的な名。耳慣れない言葉から漂う得体の知れない感じは、神秘性があるとも言い換えられる。うーん、罵倒の理由も軽々しいが持ち上げ方も我ながら過大ダナ・・・。
 賛辞がElliot Colemanにばかり集中してるのも自分でもなんだかなと思うので一応楽器隊の演奏にも言及しておきますが、上記のように「やってて楽しいのかな?」程度の感想しか持てない、簡単に言うとよくあるジェント系のプレイです。しかもギターソロなしときたもんだ。
 ちなみにDaniel Tompkinsもなかなかイイですよ。俺はElliot Colemanの方が好みですが。
 というかこの人に劣らない実力者を!と他の4人は探してきたんでしょうから、後任の評価の基準になったDaniel Tompkinsが悪かったわけがないんですけどね。
 いやー、やっぱり歌はいい。うん。
 なんで喚くバンドばかり増えていくんだろう?
 こういうスタイルはあちらさんの大多数にとっちゃゲイくさいのかなー。
 でもさ、よく聴いてみてよ。そんで「歌といえばこういうもの」ってやつを当たり前のように歌ってる人と比べてみてよ。
 自然にゃ出てこないリズムパターンの中で、それの主軸になっているドラムと一体化し、まるで打楽器の如く掻き鳴らされているこのヘヴィなギター&ベースは、ダイナミクスなど無視して最初から最後までメーター振り切ったテンションを一定に保ちつつ進行します。こんな中にあって一切存在感が薄れないほどの鋭い声って、実際ごくごく限られた人間にしか出せないと思うんですよね。
 ギャーギャー一辺倒の連中に比べたら普通の歌に近く聞こえはしますが、そこはやっぱりジェントに乗せてるものらしく、「単なる歌」ではないという印象を受けるわけなんですよ。
 たとえば、歌が云々と言えば最近も、ICS Vortex(=Simen Hestnæs)とDie Apokalyptischen ReiterDaniel Täumelに感銘を受けたって話をしましたが、この2人とElliot Colemanに与えられた衝撃は前者と後者とで全く異質なんですよね。歌は歌なんですケド。 
 もしかしたら一発KOされた原因って、この類稀なる「鋭さ」にあったのかもしれませんね。もちろん、歌によって紡がれたメロディも無視できませんが。
 このテの音楽に参加するヴォーカリストは吠えてなんぼ!って人も、Tesseract聴くと何かしら感じるものがあるんじゃないかなと思うんですがネー。
 是非メインストリームに躍り出て欲しいですね。
 今更知ったお前が・・・かもしれませんけど、まだEP1枚とアルバム1枚だけのリリースなら、評価は概ね高いとしてもそんな有名じゃない・・・よね? 

 ※A:
 「カーネイ」なのか「カーニー」なのか判断に困りましたが、この動画を根拠に「-ネイ」としました。

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