2011年8月27日土曜日

アリン・アイルジェイ!

アリン・アイルジェイ!
Ricsád Arin Ajldzsej / Րիչատ Արին Այլճեյ / Ричад Арин Ајлджеј
ریچاد ارین ایلجی / ריטשאַד אַרין אײַלדזשײ

 現在A7Xと共にドラムをプレイするArin Ilejay、彼の名の読みです。
 これ以外の仮名転写はfucking wrongですのでご注意を。
 厳密には、最初の「ア」はappleの「a」です。あのねちっこい「ア」ね。
 いやー、動画を探しに探しましたよ。彼の名が呼ばれているものを。
 20近く。
 まずはA7Xのライヴ動画から。
 たくさん観ました・・・。
 M. Shadowsが彼を紹介し、ちょっとソロってそのまま間髪入れずにWelcome to the FamilyNightmare収録)のイントロのドラムに繋げる、というパターンが最近のライブで定着しているようです。
 これで「アリン」という読みはすぐにわかった。
 色んな会場でのこのパフォーマンスを観ましたが、少なくとも俺がチェックした動画だと、全部「アリン」としか呼ばれてないの!
 当然なんかいね。名字まで含めるとよそよそしいのかな。実は知らねーんじゃねーのとも思ったけどw
 で、彼がドラマーを務めていた今はなきメタルコアバンド、Confideの動画までチェックしてみた。
 やっぱ「アリン」だけだね・・・。たとえばこれの0:09、当時のメンバー全員が名乗る(少なくともアリンは解散時のメンバーではない)、あとこれの2:20、アリンのプライベートスペース紹介。
 すげー時間かかったよ。なにせ飛ばせない。当然だけどどこでフルネーム出てきてるかわかったもんじゃないから。
 で、結局、最後の方法として、Arin Ilejayを検索ボックスに入れて、視聴数の多い順にソートして一番上に出てきた動画(1:15~1:30、ところでこいつはなんなの?)でわかったっていう、何故それを最初にしなかったしという試みで名の読みが判明。
 昨日Wikipedia.enの彼の記事でよく確認してなかったんだけど、父・Ric Ilejayはフィリピンやらメキシコの血が混じっているそうで、この変わった名字もそのせいなんだろうね。
 だから昨日「エイリン・アイルジェイ」と憶測で書いたけど、英語らしい読みが適用されないのならもしかして「イレジャイ」とか「イレハイ」が正しいのかなとか考えてた。
 「ハイ」って?-スペイン語だとJは普通、日本語で言うハ行の音なのです。reloj=「レロ」(時計)とかね。
 英語でha ha haと書くところを、スペイン語話者はja ja jaと書きます。ha ha haだと「ア・ア・ア」だからね(hermano=「ルマノ」(兄、弟)、hasta=「スタ」(~まで))。でもわかっているとはいえ最初見たときはやっぱ奇妙だな~と思わずにはいられなかったねぇ。
 余談だけどGも後続がEかIならJと同じ音。ángel=「アンル」(天使)とか、Jorge=「ホル」(=George)とかね。
 ちなみに母親の名前はCharlotte Tuttle(シャーロット・タトル、たぶん)。覚えちゃったよ。彼女も確か混血。まぁ、混血だから何、だよね、あちらさんは。
 Arin Ilejay、フルネームはRichard Arin Ilejay(リチャード・アリン・アイルジェイ)です。つまりステージネームはJames Paul McCartney方式だね。
 正式なドラマーになったわけでもないヤツのことを何こんな熱上げて調べてんの・・・って自分でも思いますが、色々と動画を観ていく中で、「新ドラマーこいつでもいいけど~」的な昨日の記事で見せた考えは、100%「コイツがいい!」に変わりました。
 何せ超いい人そう。
 ナイスガイってやつです。
 動画漁りの過程で見つけたひとつにこんなのがあります。
 上のConfideメンバー全員集合動画でもひとり、なんだか気が小さそうだなと思わずにはいられないテンションですが、すごく控えめなカンジ。
 あと、彼の肉体は純白です。
 その上半身は今年のRock am Ring参加時のこの動画とかで確認できます(A7Xレパートリーのプレイもね!)。
 A7Xの正式なファミリーになった暁には、もしかするとこの先・・・とあまり考えたくないのですが、そのまっさらな肉体に所狭しとタトゥーを入れられるんじゃないか!?と心配せずにはいられません。
 笑顔なんかも、時には大いにワルぶるよ!的な連中(まさにA7Xの面々とかね・・・)のどこかいやらしいものとは違い、かわいい感じ。つべでは彼についてcuteだとか評するコメントが見られますが、まったくですなぁ。
 Not Ready to Dieで聞かれた重たいボトムは、音作りその他彼自身の力強いプレイから生じていた可能性が多分に大かと。
 A7Xにこのまま定着すんのかなぁ。どうかなぁ。
 慣れきれてないのか、The Revのフレーズを再現できているというにはまだカタさが目立ちますが、その辺は練習とライヴの積み重ねが解決してくれるもんでしょう。
 ドラムセットの組み方だって、今はとりあえずレヴの代役として、彼が使っていたものに倣ってます感が強いし(というかもしかして実物を叩かせてもらってる?)、扱い辛いんじゃないかなあ。Confide時代のセットなんて超シンプルだったみたいで、上のレコーディング動画だとバスドラムのリムが叩けるくらいスカスカだよw
 更にそのバスドラム、今の“レヴ・セット”は勿論ツーバスだけど元々はシングルバスドラム+ツインペダルの愛用者だったんだよね。
 で定着するかどうかですが・・・なんというかやっぱキャラが違うよね、A7Xの連中とは。
 デカいツラして追い出されるとか、不遜な態度を原因とした両者の別れはたぶんない。
 むしろA7Xにはいい人すぎて合わずにサイナラ、は大いにありそう。
 これから先を占える材料がまだ少なすぎるってのもあるけど、どうも今はまだ「サポート」としての起用でしかない印象。
 俺は刺青大好き人間ですケド、Arin Ilejayに施しちゃうのはなんか違うぞ!って思うし、バッドボーイ的振舞いが要求されたところで似合うとは思えない。
 純粋にプレイと人柄だけを理由にA7Xが受け入れてくれないのかなぁと期待したいところです。
 余裕はなさそうですけど、勢いを利用してある程度フレキシブルなプレイができるようです。この辺も、見た目はなでるようなヒット、聞こえてくるのは音の洪水みたいな、主にテクデス系統の一線級ドラマーによく見られるスタイルに注目してきた人間には面白くて、一層彼を支持したくなるってもんです。
 彼を伴ったクリエイションの結果、更に面白くなったA7Xが今後、聞けるようになるかもよ!?

 ※Not Ready to Dieの作曲にはArin Ilejayも関わっていると吹聴しているつべのユーザーがいますが、M. Shadowsの手によるものです。

 ※冒頭の仮名以外への転写は単なる「リチャード・アリン・アイルジェイ」という音を示しただけです。この音が日本人が口にするべきものとして正しいことの強調を図ったものですが、単に仮名での表記を繰り返すとバカみたいでしょ?左からハンガリー、アルメニア、セルビア、イディッシュ、ペルシャですが、あくまでも他言語に於けるRichard Arin Ilejayではなく、たとえばセルビア人にとってのRichardはРикард(Rikard)、イラン人だとریچارد(rīchārd)で厳密には-r-が入ります。

2011年8月26日金曜日

Not Ready to Die

 なんとAvenged Sevenfoldが新曲を発表していました。
 タイトルは「Not Ready to Die」。
 なんかなあ。
 何かに提供したものだということで(まともに情報読むのがメンドっちくて忘れた)、曲調や詞の内容、それを元にしたであろうこの曲名なんかはA7Xが100%統制したものではなかったんだろうけど、やっぱどーしてもまだThe Revのこと引きずってんのかなと思ってしまうよね。
 ちなみにいつの間にか彼の死因は判明・公表されていて、アルコールとアブなくない方のお薬が原因だったんだとか。
 いや別に苦楽を共にしたバンドのメンバーとしては一生引きずっててくれていいんだけど、こっちとしては現時点最新アルバムにして、Mike Portnoyのショッボいドラミングが披露されたNightmareを以ってその死をしみじみ噛み締め、さて次のドラマーはどんなかなとか考え始めたりするわけですよ。
 アレッ、まだレヴがトピックになんの?とちょっと驚き。
 レヴの夭折に改めて向き合って、「俺(たち)はそう簡単には死なねーぞ」という決意を込めたものであってもね。
 つべでフラフラしててこの曲がうpされてるのを発見したんだけど、バンド名とセットでこの曲名をググってみると、そのなんとかに提供した曲であるということ、そして新ドラマーが加入しての初めての音源だということが、あるサイトに書かれてました。
 注目は矢張り2つ目。
 Arin Ilejay(エイリン・アイルジェイ?名も姓も初めて見る)なるドラマーで、Wikipediaには既に彼単独のページがあります。去年解散したConfideというメタルコアバンドのメンバーだったそーです。同バンドの記事で集合写真が見られますが・・・どれがArin Ilejayかわかりませんが、ダセー面々だな・・・。
 上の「あるサイト」は日本語のサイトで、しっかり「新ドラマー」って書いてあったんですけど、Wikipedia.enによると「ツアーメンバー」だそうですよ。
 「ツアーメンバー」は「新メンバー」じゃないんじゃないの・・・。
 どこの国の人ならそう見なすのか知らないけど、サポートは一時的に手助けする人以外の何者でもないと思うけどな、個人的には。
 ちなみに曲のデキですが、一言にするとヘヴィな感じ。Nightmareで聞かれた、暗さへの比重が強いヘヴィさとは違うけどね。
 一部M. Shadowsのドスのきいた声の出し方がこれまでで最もエゲツない印象で、他はまぁ、いつものA7Xです。
 ドラムの音作りはこのArin Ilejayの個性が表れているのか、バンド全体が納得したものなのか定かではありませんが、The Rev(とついでに一応Mike Portnoy)よりもかなり重たくて、A7Xにはちょっといきすぎな気がしました。まぁ、The Revの音に慣れてたらどうしてもね・・・。
 まぁ、今後の活動がこれ1曲で占えるわけでもないし、個人的にはArin Ilejay正式加入~新作発表で全然構わないのですが、このままどんどん重くなっていって溜めたノリ重視のヘヴィなだけのメタルコア色を強めるのだけはカンベンして。
 Nightmareは私はすごく気に入りました。
 暗いなあとは思いましたが、暗い=悪いじゃないし、The Rev死亡直後のアルバムが、彼が存命であった頃から製作が始められていたものの、結果的にああいうカラーになってしまうのはしょーがない。FOREVERとか書いちゃうのもわかる。Bon Scottを喪った直後のAC/DCみたいに表向き、Hells Bellsの鐘の音だけで追悼を表した、ああいうやり口の方がスマートだとは思うけどね。
 一緒に歌えるメロディアスなボーカルパート、ギターパート、共にバンドのアンサンブルと一体になってノれる全体の雰囲気、これまでと比べてもまったく遜色ない。
 しかし、シンプルさはあれでそろそろ限界です。
 City of Evilの頃の、ガチャガチャと色々詰め込みたがる気持ちには、彼らはもう戻れないのでしょうか・・・。
 あれは、但し、整理しきれてないなという印象もまたありました。
 今彼らにある磨かれたセンスを以ってあれの洗練版をつくってみるとどうなるんだろう?
 あくまで願望でしかないんですが、次は・・・いや、いつかでもいいから、新作としてそういうのが聴いてみたい。
 A7Xに俺が飽きる前に。
 ね。

2011年8月25日木曜日

2日目

 ハイ、何が理由かと言われたら昨日Disc I観てDisc IIの内容が気になったから、というわけで本日はUROBOROS -with the proof in the name of living...- AT NIPPON BUDOKANのDisc IIを観ました。
 まぁ基本的な感想はDisc Iにしたそれと同じですね。
 感情感情言ってるクンですが、圧倒されたという事実については勢い一辺倒な残-ZAN-Agitated Screams of Maggotsでのパフォーマンスが最も特筆すべきものだったかと。京のボーカルのノリは文句なく、どっちの曲でか忘れましたがDieも一瞬ですがニコっとしましたからね。少なくとも彼は楽しそうでしたし、俺も特にこの2曲のパフォーマンスの間は楽しかったです。
 Toshiyaは相変わらずフリーダムすなぁ。 
 Omen付属DVDのBobby Burnsじゃないけど、京が動くことによってではなく、京以外の者が動くことによって彼と並ぶ位置についた、それは2日通して確認できる限りToshiyaだけでした。
 Disc IIの終盤、京のお立ち台(?)あるでしょう、あそこに足をかけて弾く姿が見られます。
 Toshiyaに関しては他にも、Hydra 666では1日目には見られなかった、ギター隊も混じっての全体的なメンバーの移動が見られるんですが、の位置にDieが寄っていて、空いたDieのマイクスタンドでToshiyaが叫んでいたりとか。最初のサビでは自分のマイクに向かって叫んでいたんですが、Dieのところでのパフォーマンスではベースから両手離してましたね。
 両手離しはここと1日目でも見られた他、2日目も幾度か見られます。演奏そっちのけで自分のマイクスタンドの位置直してたりとか(笑)。
 あとなんの曲だったかな?終盤ってのは確実なんだけど、ある曲が終わって京が手を頭上に翳す、それに合わせてToshiyaがベースを掲げてる。あれは素晴らしい画だと思いましたね。ザ・パフォーマーです。京が目立つのは当たり前ですから、敢えて最優秀パフォーマンス賞は彼には与えません。
 他には序盤、京の後ろでベースをものすごく大きく振り回す。シールドが舞うほどです。
 残念なのが、このときカメラのフォーカスは京にあったんですよね。Toshiyaは大きく動いて位置は京の背後にありました。
 ひとり浮いたことをやってる奴を他の連中と一緒に映すのはよくない。「浮いてやがんの」とどうしても思ってしまう。あそこはToshiyaをアップにしたカットを入れるべきだったんですよ、マジで。なかったのかもしれないけどさ。
 薫のライブパフォーマンスのひとつに、客をアツく煽るってのがあるらしいんですけど、Disc I、IIともに殆どそういう場面はありません。バンドリーダーでギタリストなのに・・・ってのはまぁ関係ないにしても、正直このDVDでは最も目立たない人。Dieに比べると何故か手元のアップが多いこともあって、イレズミなかったら全然目を引き付けられてなさそう・・・。このバンドのギタリストクラスの演奏をアップで見てもちっとも面白かないぞオイ。
 Dieは任されているコーラスの頻度が多いこともあって、かなりよく顔が映ります。送風に煽られる髪の動きが好きなので個人的に嬉しい編集ですね。
 Shinyaは初日と比べて軽快なトコロや音の粗の目立つタイコの連打は2日目も相変わらず。THE FINALは視覚的に確認して初めてわかった結構難しそうなドラミングでしたが、まさに最も叩ききれてない感じがよくわかるパフォーマンスになっています。
 京も相変わらず主張負けの残念パフォーマンスなんですが、蝕紅のアカペラパートはすごく良かったです。シングル・のスタジオライヴでもやってましたね。あのときはマイクもなしでしたが。個人的にVULGARの収録曲中では比較的どうでもいい方の曲で(だから朔に収録されているのがわかったときも嬉しくなかった)、このDVDで最も印象的なパフォーマンスのひとつが観られるとは思ってませんでした。
 すごいじゃん、京。どこまでも素直に、あれは心に来たぞと言える。INWARD SCREAMとかワケのわかんないもの曲間に挟むくらいなら、パッと頭に浮かべたレパートリーから一部を抜き出してナンかアカペラで披露してみたらどう?理由蛍火ザクロとか良さそうだぞ(何故かすべてMACABRE収録曲だな・・・)。
 あのアカペラ中、マイクをかなり離しながら声を出す場面があったけど、マイクに通した声を聴くとさ、もっと大きく出したい、もっと迫力持たせたいとヘンにリキんじゃって本来できることが適わなくなるのかいね?
 DIR EN GREYと言えば・・・①、②、③、④、⑤くらい簡潔に大別して挙がるもののひとつに、確実に「京(の歌)」があると思うんだよね。
 でも、CDで聴いてこそ、の人だよ。まだまだ。
 私は実際にDIR EN GREYのライヴを観たことがない人なので、読む人によってはこういった言い草は戯言に感じられるかもしれませんが、加工した音源であるライヴDVD作品に対する感想がここでこうやって書いたものになってるんですから、実際観たらもっとヒドくこき下ろすことでしょうよ。
 さて、ライヴはVINUSHKASA BIRで幕を下ろします。これが初日の幕開け、SA BIR~VINUSHKAに繋がり、“ΟΥΡΟΒΟΡΟΣってワケですね。ハイハイ。
 アンコール!アンコール!の声が響く中、UROBOROSツアーの日程?がスクリーンに流れ、最後に来るのはこのDVDに収められている武道館公演2DAYS。
 それが終わると激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇のPVが開始。これに合わせた観客の合唱は2番目のサビからよく聞き取れるようになりますが、反応遅いっすねー。マキシマム ザ ホルモンDeco Vs Deco Disc I終演後にみんな速攻フルパワーで歌い出したのとは正反対。
 このPVが終わって、あとはDVD制作関係のクレジットの表示と共に本当にオシマイ。
 えー、で、まとめですが、まぁ2DAYSあって2日目に良くも悪くも同じバンドとは思えないほどのパフォーマンスをされてもライブ会場の、或いは映像作品を視聴する客は戸惑うだろうし、Disc Iで気に入った人ならそのままの勢いで2日目の収録も楽しんじゃってください。Disc Iでダメだ~って人も1万5千出して買ったんですから一応全部観たってください。
 ちなみに俺は「○○円出して買ったのに!」とかいう悔やみ方を全然しない人なんで、デキに好意的になれなくても損したとかちっとも思いません。
 昨日今日とこんな感想書いてきましたがこれでDIR EN GREYがキラいになったってわけでもないですし、昔から好きで今も好きでこれからもCD、DVDは欲しいですしヴィジュアル面での変遷なんかもこの先楽しみたいです。
 結構ね、たとえば超絶テクデス連中とかのトチったライブなんか観ても同じことが言えるんですけど、自分の好きな人々をヘンに神格化させたりしない方がいいですよ。「なーんだこいつらもヘボいんじゃん」って気づくことができる人の方が、より多くの楽しみ方を見出せると思います。
 要は、突っ込みどころが見つかった方が持てる感想は間違いなく豊かになると思うんですよね。
 完璧なものに対する感想って、「完璧」の一言で済むじゃないっすか。
 たとえば音楽のライブだったら?「完璧」っつったら、ピッチが完璧、運指が完璧、リズムが完璧、音の粒が完璧、アンサンブルが完璧、奏者のあらゆる所作は非の打ちどころがないほどかっこよく、客のノリは常に最高、MCも面白い・・・たぶん俺、1度堪能したら次聴く / 観るの数年後でしょうね。
 -I'll-の頃から知ってる身としては(昔っちゃ昔とはいえ、珍しくもないですが)、海外公演も大盛況とかいうニュースを耳にするたんびに「そういうバンドだったっけ?」と思わざるを得ないんですが、そこにこういう突っ込みどころ満載のライブ映像が登場すると、「ああよかった、大したことないまんまだ」とまた身近に感じられるわけですよ。
 CDだと文句なく、昔と比べようがないほど凄くなってるんですけどねえ。
 さて最後にライヴの内容とは全然関係ないんですけど、
 Voice 京
 Guitar 薫
 Guitar Die
 Bass Toshiya
 Drums Shinya
 って表記の仕方、どうなんすかね。
 「薫 - Guitar」って感じで、名前を先に出す方が自然だと思うんですけど。
 バンドにとっちゃ全然深く考えるようなことじゃないんだろうけど、そのバンドの構成は定められた楽器ありきなの?って思ってしまう。
 人でしょ、まずは。
 昔から不思議、こういう表記をしてるバンド。

 ちなみに私の「DIR EN GREYと言えば」、は
 ①京
 ②Shinya
 ③起伏の豊かな曲構成(これ昔からのイイ特徴だと思いますよ)
 ④わけのわからん歌詞
 ⑤諸要素ひっくるめて「現実感」がある(決して巧くなれないところとかもね)

2011年8月24日水曜日

CDでこうやって演奏してたし

Βλέπω SFBD-0022

 ハイ、というわけでRageStrings to a Web付属DVDじゃなくてDIR EN GREYUROBOROS -with the proof in the name of living...- AT NIPPON BUDOKANを観ております。
 なんでこれか?
 ・・・いやなんででしょうね。
 未だにDisc Iしか観てなかったからかな?
 もう忘れたわ。
 初回視聴時の感想としても以前書きましたが・・・はホントヘタだなあ。
 グロウル時や奇声発してるときは存在感がバッと輝きますが、ああいうときにヘタレて見えるなんてまあ、普通はありえないですしね・・・。
 あと、「華がある」と褒めたShinyaのドラミングですが・・・改めて見ていると、「華がある」+「だけ」なことに気づきました。
 なんかね、ダイナミクスが感じられない。グルーブがない。
 彼がグルーブ出したそうなドラミングを披露してるんでこういう指摘をするんですよ、俺は。
 ただ、バンドとして全体的に自由なアドリブが殆どきかなさそうなバンドの中で個人的なグルーブ持ってると雰囲気が崩れそうではありますが。
 CDに収めるために行った演奏をライブでまたなぞってるだけって感じがね、ヒジョーにするのです。
 いや確実にリズムには乗っているし曲には魂込めてそうではあるし、それはところどころの小気味良いフィルインや大きなビートの中で登場する細かなフレーズからも感じられるんですけど、「勿論こうやって演奏するよ。CDでこうやって演奏してたし」という風に見えるんですよね。
 最近の曲では手元が昔と比べて忙しくなったからかDieもパフォーマンスがこじんまりとしているし、Toshiyaだけですね、本当にライブという場で見る価値があるの。
 少なくともこのDVD(のDisc I)だとベースサウンドがかなり小さいので、間違えても誰も気づかないだろう的な、勿論こんなこと考えながら演奏してはいなかったんでしょうけど、暴れてる彼を見られりゃそれでいいやと思わされる見応えのあるパフォーマンスをしてるのがイイですね。
 Shinyaもね、過去書いた通り、そして改めて見てもやはり思った通り、華があっていいですよ。ヴィジュアル畑出身の人間らしくカッコつけのためのムダな動きも多いし、薫とDieのギター隊、そしてヘタとは言えここまで一曲中で色んな声の出し方を見せてくれるボーカリストが世界にどれくらいいるだろうかという点では物凄く価値のあるパフォーマー・京に負けず劣らず、どんな曲でも忙しそうで一聴で終わる程度のプレイはしていない。
 けど・・・サウンドプロダクションが悪いのか?彼の技術・力量不足なのか?とにもかくにも淡白なんですよ、とっても。色々やってるからこそその淡白さが多彩なフレーズを以って濃くなっていき、見逃せなくなる。
 Shinyaを主に槍玉に挙げてますが、「CDでこうやって演奏してたし」ってスタンスの無言の体現は、何もShinyaだけじゃない。みんなです。いや、Toshiya以外かw
 以前も書きましたが、京は「うまく歌うことに興味がない」と言いつつ、明らかにうまく歌いたげ。
 殆どのパートに於いて、うまくいったテイクを再現しようとしてるだけに思える。
 カラオケなんですよ、やってることが。
 高音が出切らないところにしたって、自分で定まった音まで持っていけないってのは声出している内にわかってくるもんでしょう?だったら表現しきれない部分は別のやり方に変えるとかね、感情の放出を歌に変えているという仰々しいこと言うくらいなんだから、中途半端に終わりそうな歌はやめて、シャウトやグロウル、なんでもいいんですが自分が確実にまともな声を出せそうな方法変えるとか、そっちの方があらゆる意味でおそらく説得力ありますよ。
 こっちとしてはカネ払ってるんだから、ミュージシャンの言い分は尊重したくもありますがまともなパフォーマンス観たいってのもホンネですからね。
 「あっ、今のフェイクだな、でもしょっぱい演奏聴くくらいならフェイクなりにうまくいってるこっちの方がマシだわ」ってね。
 ギター隊もね~。
 これは俺の好みもあるんですケド、ギターはもっと掻き鳴らして欲しい!ね!手元でチマチマやってるのはよほどのテクニシャン以外おらー認めねーよ。
 さてそれではまとめですが、UROBOROS、若しくはTHE MARROW OF A BONE、或いは極少数のこれら以外の過去のアルバムからの曲をちゃんと覚えていて、デキ度外視でそれらのライブ音源を視覚的にも味わいたい!って人向けのDVDなんじゃないかなと。
 A:「今海外でも話題らしい日本のDIR EN GREYってどんなバンド?」-B:「このDVD観てみなよ。」
 このやり取りの果てに、Aさんはこの世に数多ある初めて観る / 聴くものとして確かな価値があったと思うでしょうか?
 まぁ人それぞれですが、HR/HMリスナーがDIR EN GREYとヘヴィメタルを同列に語られることに抵抗を示すことに、俺が少なからず共感を覚える程度には、DIR EN GREYのライブは迫力に乏しいです。
 GAUZEMACABREあたりが好きだった人の中には、とっくのとうに遥か彼方に置いていかれた人が相当数いるであろうと思いますが、ついてきた人はそりゃ・・・このライブ作品でも気に入ったでしょうよ。
 曲を覚えてるってのはやっぱ楽しさに多大に影響するよ。

2011年8月23日火曜日

マッチョなライヴ

 TriviumIn Waves付属のDVDを観たイキオイでMetallicaSt. Anger付属のDVDも観たはいいがThe Unnamed Feelingで飽きてやめたと書きました。
 この更新やめてた3日間でもう2度観まして、内先の1度はやはり途中でやめて、今日3度目の正直で最後まで観ました。ちなみに初めて最後まで観たのではないですよ。
 で、その勢いで、SoulflyOmen付属のDVDも観ました。こちらは初めて。
 朝早くに再生していたのであまり大きな音を出さず(最近なんだかイヤフォン・ヘッドフォンってウザいなと思って、以前専ら聴くときはイヤフォンを使っていたときには考えられないくらい使わなくなりました)観賞しました。
 Omenの感想書いたときにも言ったことですが、Max Cavaleraの作る曲って同じフレーズの繰り返しがマジ多い。
 彼らのライヴはDVDで堪能するものではなく、実際に参戦してナンボなんだなと思わされましたよ。
 Joe Nunezのドラミングが凄まじい・・・プレイに関して面白かったのはそこくらいっす。
 勿論名手・Marc Rizzoのピロピロギターソロ、Dimebag Darrell系統の素っ頓狂なワーミーフレーズも耳に楽しくはありましたが、聴覚のみを以っておとなしく楽しむものであるCDで聴く分には「おおっ」って感じなんですけど、あのマッチョなライヴで出てくるとタンマかけられたようであんまりいい効果はないですな。
 俺はSepulturaを聴いたことがなく、Max CavaleraのプレイもSoulflyとCavalera Conspiracyで知っているだけ、ライヴでのパフォーマンスは今回このDVDで初めて見ましたが、同じくDVDで見られたMatt HeafyJames Hetfieldとは違って、そのギタープレイはバンドに必要不可欠ってわけではないんですな。
 音の分離があまりよくなかったので(このライヴ作品の音としてはそんなに悪いことでもないが)、Max Cavaleraはちゃんと弾いているのかどうかすらわかんなかったです。何回かギター持ち代えてましたが、チューニング別に使い分けてただけでしょうかね、たぶん。ちなみに少なくとも2曲はギターを弾かず、ではなくて、持たず、で歌ってました。
 Bobby Burnsのベースはドンシャリで爆音の隙間隙間にその音色が見出せるのですが、まぁなんか埋もれがちだし彼自身のパフォーマンスも面白くないしで、ヘンな髪型、刺青だらけの腕、コーラス、客の煽り、また、Max Cavaleraよりも客寄りにいたこともあって存在感は抜群でしたがどこか空気。華がねぇのかね。
 Marc Rizzoのプレイは上の通りですが、1曲目のアタマで見せたのを皮切りにライヴ中数回披露した後ろ回し蹴りが、ムキムキな彼の身体から繰り出されたのがすごく自然なカンジ。あんな身体してんだからプロポーションもプレイと同じく重視してんだろうけど、それにしたって回し蹴りとは・・・David Lee Roth以来だよ、こんなミュージシャン見るの。
 それにしてもこういうマッチョなギタリストのことは、過去記事中に何度かした「ギターを構えた姿勢について」の話を書くときには頭になかったので、ギターを構える位置が高くてもこういう人ならアリだなと新しい観念を与えられました。
 あのギターの位置は大分左手が自由のきく、いい試行の賜物なんでしょうが、ピロピロについては結構ムラがありました。爆走パートで身体の至るところに、より過激に動かすための勢いをつけてると、リズムに乗っているとはいえソロパートなんかで途端に指先での繊細なフレーズを要求されるとうまく制御つかないんですかね。
 途中、Drumsというトラックがありまして、Joe Nunezのドラムソロかな?と思ってましたが、Joe Nunez、Marc Rizzo、Bobby Burns、そしてMax Cavaleraと彼の選定したオーディエンスのひとりをステージに上げての打楽器の乱打です。まさにDrumsですね。
 Max Cavaleraと同じくブラジル出身のバンド、AngraRebirth World Tour - Live in São Pauloにも、本編にはありませんでしたが、確か日本でやったバンド全員での打楽器によるパフォーマンスがボーナス映像で収められていました(ちなみに何故取り扱いのない商品にリンクつけてるかと言うと、「これが」俺の持っているものだからです)。ブラジル人にはそうせずにはいられない何かがあるんですかね。
 客をステージに上げる・・・と言えば、Avenged SevenfoldLive in the LBCを思い出します。いや別に珍しい行為でないんでしょうけど、俺はこの2つのDVDでしか見たことない光景なもんでね。
 あのDVDではPanteraWalkを客のニーちゃんに歌わせてましたが、明らかにパワー不足・・・途中M. Shadowsがワンフレーズだけ合いの手を入れるんですが、さすが、全然迫力が違いますね。一般人の素人と比べて改めて思い知らされました。
 ちなみに仕様なのかなんなのか、そのM. Shadowsが合いの手を入れるまさにそこで俺のDVDは一瞬音が途切れます。Goddammit。
 なんか脱線しましたが、一言で言うとあまり面白くありませんでしたっと。
 観るなら広ーいリビングに置いた大画面のテレビで、ドッタンバッタン暴れながらですかね。
 さてこの勢いで次はこれまた初となるRage / Strings to a Web付属のDVDも観ますよお!
 尼のレビューで見てしまいましたが、これはオフィシャルブートじみた画質・音質が特徴だそうです。
 うーん、これはPCのショボいスピーカー通して聴いちゃ絶対ダメかも・・・。

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