2011年12月9日金曜日

チベット語学習日記 9頁目

 ちょっと下接字から覚え直してます。
 後置字相手にガムバってたんだけど、ふと、「前やったこと、知らん間に忘れそうだから、軽くででも改めて勉強し直してみるか」とページを遡った。
 するとアラ不思議、これまでの覚え方の何が悪かったのか更に効率のよい覚え方を編み出そうと思いついてしまい、下接字、上接字、前置字についての情報を、今日は一日中整理してました。
 また、こうやって「どうやったらうまく頭に収まってくれるかな~」と考えながら、ひたすらノートに方法論を綴ってると、良い結果を出す過程の副産物として、いつの間にか覚えたいものについての印象が濃くなっていくんですよね。
 まぁそんな「慣れ」の喜びについてはともかく、これ以上コンパクトになるかな?ってくらい折りたたまれた説明を見よ。

下接字 ྱ: +P段=C段; +その他=Cy
下接字 ྲ: +ཧ=hr; +ས=不変あるいはtr; +K段、P段、T段=tr
下接字 ླ: +ཟ=d; +その他="la

 どーでしょう。
 下接字が追加されることによる声調や気音への影響については、表記がなければ何もないということです。
 唯一、"laのみが声調の高さと母音を伴って書かれていますね。
 特に「+P段=C段」という説明が気に入っています。これ以上に簡潔な言い方もないでしょう、たぶん。
 P段以外への影響は、見ての通り「+その他=Cy」としか書かれておらず、これだとどの基字に付記されるものかはわかりませんが、別に気にしなくていいのです。「Cy」が意味することさえ理解していれば。
 基字をちゃんと示すと、「その他」に相当するものは、K段の鼻音以外と、ཧです。音はそれぞれ"kya、"kyha、’kyha、"hyaになります。ね、「Cy」でしょう?
 下接字 ྲの段にある、「=tr」も、ちょっとコンパクト過ぎているかもしれません。たとえばK~T段第二、第三列はすべて有気音ですが、「tr」としか書かれていなかったら、あたかも無気音に変わってしまうと意味しているかのように受け取られるかもしれない。
 しかし気音に対する影響について特記されていないので、影響はないということです。
 たとえばK段第一列のཀ("ka)がཀྲに変化することが、「=tr」の一言のみで示されていれば、有足字となる前の基字の段階での声調と、無気音であるか有気音であるかという特徴は不変であることを意味しているのです。
 K段第三列のག(’kha)は、声調は’で、有気音であるから、下接字がついてགྲになれば、特徴をそのまま受け継いでその音は’trhaに他ならないと。
 どーですかね?
 ・・・ま、こうやって結局このコンパクトな説明が誤解を招かないよう、「説明に対する説明」を入れなければならないのであれば努力の甲斐もあったのかなかったのかよくわかんなくなっちゃいますがね。
 少なくとも、基字が示す音はすべて暗記していることが、このコンパクトな説明を理解する上での前提にはなってますね。

上接字ར、ས: +第三列=無気化; +第四列=声調①
上接字ལ: +ཧ=hl; +第三列ག、བ=無気化、
+第三列ཇ、ད=j、d(語中に於いて直前の音を鼻音化); +第四列=声調①

 この上接字について説明がコンパクトになった点は、ར、སの機能が同一であることを理由に、この2つを同じ段で表していること。
 声調①ってのは俺の解釈の仕方で、以前書きましたが、チベット語ラサ方言の声調の数は4つで、本で紹介されている順に、"、`、’、^なのです。つまり、①="。
 敢えて説明不足である点を探すなら、「声調①」じゃなくて、「声調①」にすべきかな、ってことくらいですかね。
 上接字は第二列には付かず、三と四以外では第一列にも付きますが、影響が皆無なのでもう説明に含めるのはやめました。初めて上接字を記事にした際には、ちゃんと「第一列についても影響なし」みたいなことを書いてましたよね。
 つまりは、これらの字が付くことによって、音や声調等が変化する基字のみに言及しているわけなんですよ。
 じゃあ「 ྲ+སは?」という疑問も生じるでしょうが、これは「不変“または”tr」なので、必要なんじゃないかなと。
 あと、下接字は、上接字や前置字と違い、「 ྲ+ས=tr」になることも考慮すれば、付加の対象になる基字すべての音に影響を齎すと言えるので、コンパクトさを意識しつつも、「すべての基字になんらかの影響がある」点を強調するために、すべての変化を表記するのもアリかなと、こう思うわけです。
 上接字の説明でひとつ気になるのは、やっぱり「+第三列ཇ、ད=j、d(語中に於いて直前の音を鼻音化)」のくだりですね。普通なら特に長くもない説明ですが・・・この中にあっては長いです。
 下接字 ླと結びついたཟ、即ちཟླ(’da)や、前置字མ(’ma)(およびའ)が語中にある場合、直前の音を鼻音化するので、「軽い鼻音を含む字の語中の働き」を「基礎知識」として覚えなければいけないと考えれば、こういう説明は不要になるのですが・・・。つーか、下接字 ླのとこでཟླにはこの機能、書き忘れてるなw
 まぁ、とにかくこんな感じで、一旦学んだことに再度取り組んでいる最中です。
 「最良」がわかんないから、たのしーんだこれが。
 上でも言ったけど、「( ྱ)+P段=C段」はキマったね。美しい。
 ま、説明の仕方は、記号が追加されて変化する基字の音によりけりだから、上で挙げたものの中には、「+P段=C段」以外にも、既にこれ以上コンパクトにしようがないものがあるかもしれない。
 後置字がこんな感じで説明できるようになったら、いよいよ本編・・・別の言い方をすれば、この程度まで手玉に取れるようになれないと、単語を読む度、目にした付加記号の機能について頭を回転させて、音を再現するだけで精一杯ってことになりかねん・・・というか、もう第一課は読み始めたって言ったけど、実際そうなっちゃったんだよねw
 ありゃーストレスだぜ。うん。
 そういうわけで「記号説明コンパクト化」の旅は続く・・・。

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