2012年5月9日水曜日

スキャナ欲しい

カトゥ・カ・カタル・フォトグラフィア 
Këtu ka katër fotografia.  
ここに4枚の写真があります。


 アルバニア語。
 前にも書いたが、アルバニア語は英語に用いるラテン文字にëとçを追加しただけの、覚えるのに労力を伴わない正書法を採用している。ëはシュワーで、çは英語で言う二重子音・CHに相当する。また、Wは使われない。ちなみにこれらはトスク方言ではという話で、他の方言だとちょっと異なる点があるらしい。
 結合によってひとつの音を表す二重子音として

 dh : アラビア語・نافذةのذ(ナーフィザ=窓)
 gj : ハンガリー語・egyのgy(エッヂュ=1)
 ll : 英語・nationalのl(ナシャナル=国家の)
 nj : スペイン語・niñoのñ(ニーニョ=少年)
 sh : フランス語・châteauのch(シャトー=城)
 th : 現代ギリシャ語・θάνατοςのθ(サナトス=死)
 xh : サンスクリット・जित-のज(ヂタ=征服された)
 zh : ロシア語・поживатьのж(パジヴァーチ=生活する)

 があるのだが、何故çは「ch」にならなかったのだろう?
 Xはポーランド語・bardzoのdz(バルヅォ=とても)に相当し、XHという二重子音があるなど、他のラテン文字を正書法に採用している言語と比べると(たぶん)珍しいラテン文字の使い方をしていることに加え、nd-やmb-で始まる語があるのも注目すべきところ。少なくとも今現在も話されているインド・ヨーロッパ系言語の中では珍しいはず。
 ちなみに中央にある語・mengjesは「mëngjes(マンヂェス=朝)」の間違い。ド真ん中にあるので目に入ってきたわ。


 バスク語。
 昨日は「ダイアクリティカルマークのないラテン文字を使う言語」としてバスク語を例に出したが、実際にはスペイン語由来の「ñ」が取り入れられている。頻出するわけじゃないみたいだけど、「andereño(アンデレニョ=女教師)」という日常的な言葉にも入っているので、目にする機会は少なくないのかもしれない。
 /s/をZで、日本語で言う「シュ」の音を表すのにSとXを用いているのが特徴。本をまともに読んでいないのでSとXが示す音の相互的な違いはよく覚えていない。ポーランド語のszとśの音の違いに相当するのかな?


 タミル語。
 子音にai、au、eとその長音、oとその長音を付加する際、綴り上は子音字を書くよりも先に書いておくべき字母があり、これで未だによくミスをしてしまう。
 こういう具合だ:

 தை(tai), தௌ(tau)
 தெ(te), தே(tē)
 தொ(to), தோ(tō)

 左側は、母音のついた子音字の例として出したத(tではなくdの音を持つこともある)​に先行して、右側はத​の左右に字母が置かれているのがわかってもらえると思う。最上段右側に示した、「Cau」という音を含むタミル語はまだ学習中に登場していないので、実際には書いたことがない。ちなみに、この「tau」に於いて、தの次に来ている文字はḷ(a)という音を示す字母ளと全く同一の形(というより流用なのか?)であり、தௌという結合は「teḷa」とも読める。デジタル上の処理で言うと、「tau」は一文字として扱われるが、「teḷa」として打つと「te+ḷa」の2文字になるので、カーソルを文字の上で動かせば、いくつの文字の上を跳んで次の文字へ移るかによって、どう書いてあるのかがわかる。しょーもないことだけどね。
 தௌ தெள​ தௌ தெள​ தௌ தெள・・・さて、「tau」と​「teḷa」はそれぞれ何個ずつあるでしょう?


 サンスクリット。
 この書き方は邪道だろう・・・しかし俺はとっても気に入っているのである。
 一番上の段は、「邪道」字体との対比のために書いた、つい最近までの書き方。これで当然という字体だ。
 正規の書法では、字母毎の天辺に横棒を引き、一部の字を除いてその棒で一単語内の各字を結んでゆく。ちなみにこれは、横棒以外の部分を書いた後で定規で引いている。こういう煩わしさも、正規の書法を捨てた一因である。そんなメンドい書き方してる方が悪い、確かにそうだが、この横棒が真っ直ぐ引けないときのストレスの方が、サンスクリットを綴る際には毎回いちいち定規を持ちだしてこなければいけないメンドくささに圧倒的に勝る。
 新たに思いついた書き方に於いては、結合子音(व्य(vya)、​च्चि(cci)、स्य(sya)など)​を除いて各字母がひとつたりとも横棒で繋がれていない。
 人に読ませるものには絶対に書けない形だが、己が今まで崩してきた字体の中では最も冴えたやり方を以ってして完成したものだと、俺は非常に満足している。
 最上段の書き方は、縦書きのモンゴル文字のガイドに罫線を利用したことに通じるものがある。デーヴァナーガリーはこうやって書くと、言わずもがなだが、次の行には新しく文章が綴られないので空けないといけない。罫線を利用せずに、つまり横棒以外の部分を小さめに書き、罫線よりも下に定規で線を引く、という書き方も試したが、棒と罫線が平行になりづらく見映えが悪くなりがちであることに気持ちが落ち着かず、やはりガイドとしての罫線に頼りたくなってしまうので長続きしなかった。

 あ゛ー・・・スキャナ欲しい。

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