2011年8月24日水曜日

CDでこうやって演奏してたし

Βλέπω SFBD-0022

 ハイ、というわけでRageStrings to a Web付属DVDじゃなくてDIR EN GREYUROBOROS -with the proof in the name of living...- AT NIPPON BUDOKANを観ております。
 なんでこれか?
 ・・・いやなんででしょうね。
 未だにDisc Iしか観てなかったからかな?
 もう忘れたわ。
 初回視聴時の感想としても以前書きましたが・・・はホントヘタだなあ。
 グロウル時や奇声発してるときは存在感がバッと輝きますが、ああいうときにヘタレて見えるなんてまあ、普通はありえないですしね・・・。
 あと、「華がある」と褒めたShinyaのドラミングですが・・・改めて見ていると、「華がある」+「だけ」なことに気づきました。
 なんかね、ダイナミクスが感じられない。グルーブがない。
 彼がグルーブ出したそうなドラミングを披露してるんでこういう指摘をするんですよ、俺は。
 ただ、バンドとして全体的に自由なアドリブが殆どきかなさそうなバンドの中で個人的なグルーブ持ってると雰囲気が崩れそうではありますが。
 CDに収めるために行った演奏をライブでまたなぞってるだけって感じがね、ヒジョーにするのです。
 いや確実にリズムには乗っているし曲には魂込めてそうではあるし、それはところどころの小気味良いフィルインや大きなビートの中で登場する細かなフレーズからも感じられるんですけど、「勿論こうやって演奏するよ。CDでこうやって演奏してたし」という風に見えるんですよね。
 最近の曲では手元が昔と比べて忙しくなったからかDieもパフォーマンスがこじんまりとしているし、Toshiyaだけですね、本当にライブという場で見る価値があるの。
 少なくともこのDVD(のDisc I)だとベースサウンドがかなり小さいので、間違えても誰も気づかないだろう的な、勿論こんなこと考えながら演奏してはいなかったんでしょうけど、暴れてる彼を見られりゃそれでいいやと思わされる見応えのあるパフォーマンスをしてるのがイイですね。
 Shinyaもね、過去書いた通り、そして改めて見てもやはり思った通り、華があっていいですよ。ヴィジュアル畑出身の人間らしくカッコつけのためのムダな動きも多いし、薫とDieのギター隊、そしてヘタとは言えここまで一曲中で色んな声の出し方を見せてくれるボーカリストが世界にどれくらいいるだろうかという点では物凄く価値のあるパフォーマー・京に負けず劣らず、どんな曲でも忙しそうで一聴で終わる程度のプレイはしていない。
 けど・・・サウンドプロダクションが悪いのか?彼の技術・力量不足なのか?とにもかくにも淡白なんですよ、とっても。色々やってるからこそその淡白さが多彩なフレーズを以って濃くなっていき、見逃せなくなる。
 Shinyaを主に槍玉に挙げてますが、「CDでこうやって演奏してたし」ってスタンスの無言の体現は、何もShinyaだけじゃない。みんなです。いや、Toshiya以外かw
 以前も書きましたが、京は「うまく歌うことに興味がない」と言いつつ、明らかにうまく歌いたげ。
 殆どのパートに於いて、うまくいったテイクを再現しようとしてるだけに思える。
 カラオケなんですよ、やってることが。
 高音が出切らないところにしたって、自分で定まった音まで持っていけないってのは声出している内にわかってくるもんでしょう?だったら表現しきれない部分は別のやり方に変えるとかね、感情の放出を歌に変えているという仰々しいこと言うくらいなんだから、中途半端に終わりそうな歌はやめて、シャウトやグロウル、なんでもいいんですが自分が確実にまともな声を出せそうな方法変えるとか、そっちの方があらゆる意味でおそらく説得力ありますよ。
 こっちとしてはカネ払ってるんだから、ミュージシャンの言い分は尊重したくもありますがまともなパフォーマンス観たいってのもホンネですからね。
 「あっ、今のフェイクだな、でもしょっぱい演奏聴くくらいならフェイクなりにうまくいってるこっちの方がマシだわ」ってね。
 ギター隊もね~。
 これは俺の好みもあるんですケド、ギターはもっと掻き鳴らして欲しい!ね!手元でチマチマやってるのはよほどのテクニシャン以外おらー認めねーよ。
 さてそれではまとめですが、UROBOROS、若しくはTHE MARROW OF A BONE、或いは極少数のこれら以外の過去のアルバムからの曲をちゃんと覚えていて、デキ度外視でそれらのライブ音源を視覚的にも味わいたい!って人向けのDVDなんじゃないかなと。
 A:「今海外でも話題らしい日本のDIR EN GREYってどんなバンド?」-B:「このDVD観てみなよ。」
 このやり取りの果てに、Aさんはこの世に数多ある初めて観る / 聴くものとして確かな価値があったと思うでしょうか?
 まぁ人それぞれですが、HR/HMリスナーがDIR EN GREYとヘヴィメタルを同列に語られることに抵抗を示すことに、俺が少なからず共感を覚える程度には、DIR EN GREYのライブは迫力に乏しいです。
 GAUZEMACABREあたりが好きだった人の中には、とっくのとうに遥か彼方に置いていかれた人が相当数いるであろうと思いますが、ついてきた人はそりゃ・・・このライブ作品でも気に入ったでしょうよ。
 曲を覚えてるってのはやっぱ楽しさに多大に影響するよ。

過去の記事(アーカイブの頻度: 週毎)