2012年6月9日土曜日

フォントに翻弄されまくっている多言語学習生活

前回の記事から派生した話題でお送り致します。

 何について?-フォントについて!
 リトアニア語を綺麗に表示できるかどうか、それも確かにフォント選択の際に吟味の必要性を感じることではあったんだけど、こんなのショボイショボイ。
 ベトナム語の声調記号を付記した母音を真っ当に表示させるフォントの方が少ないことに気づきました。
 ふとまたベトナム語を勉強したくなって、昨日今日とやってたんですが、タイプの練習も改めてやろうと打ってみたら・・・セリフ系はTimes New RomanPalatino Linotype以外全滅だった気がする。以前ここでベトナム語の学習成果を記していた頃はTimes New Romanを使っていました。昔からフォントに対する拘りはあったんですけど、最近目覚めたようにネット上で自分の気に入るフリーフォントを収集するという発想は以前はまったくなかったので、ラテン文字が格好良く表記するためにはTimes New Romanを、と機械的に利用していました。Times New Romanに似た見た目のGeorgiaも好きなんですが、Times New Romanに比べてかなり幅を食う仕様になっていて、その為に使い辛い場面がよくあったりするので、結局Times New Romanを選択することの方が多いです。Georgiaは一応最近も使用例がありまして、アイヌ語学習成果3日目で「第○課: ○○」という見出しにあったラテン文字の表記がこれで為されています(だったはず・・・)。幅が太いことによるTimes New Romanとの見映えの違いが利用できた好例です。迫力出ますからね(上がTNR、下がG、サイズは24、イタリック体&ボールド):

Labai malonu susipažinti su Jumis!

Labai malonu susipažinti su Jumis!

Очень приятно с вами познакомиться!

Очень приятно с вами познакомиться!

 さて、ベトナム語をデジタルで綺麗に表示させる方法なんですが、別にTimes New Roman、Palatino Linotypeでも悪いことはないです。
 ただ、前回お見せした通り、StonehengeFeather・・・なんとかのような、OSに最初から組み込まれているフォントにはない魅力を持った字体が、どこかの誰かからの手を借りて表現可能であると知れば、ベトナム語にもそういうものがないかなと探してみたくなりまして。
 で、見つけたんですけど、何故だかその後で、「ラテン文字限定でいいから、どんな言語のどんな表記であっても綺麗に表示できるフォントというのはないのか?」と考え始めちゃいまして、ベトナム語の表示に特化したフォントのことはほぼどうでもよくなりました。
 色々試してみたんですが、TITUS Cyberbit Basicってのが万能に近くて、凄いフォントです。俺のOSはXPなんですが、このフォントは最初からあったものなのか、どこかから調達してきたものなのかは覚えてません。ただ、ベトナム語表記に適しているとはちょっと言い難いです。ベトナム語向けなら、これと比べるとTimes New Romanの方がいいですね。記事の最後に使用例を示してますんでどうぞ。
 ある表記の見た目に対してあるフォントが使用に向いているかどうかの判断は、メモ帳を開き、適当に文章を書き、あとはひたすらフォントを選択しまくって逐一表示の変化を見ていくという手順を以ってしています。言わずもがなですが、滅茶苦茶面倒臭いです。でもこれ以外に良い方法が思い当たらない。フォントファイルを開いて直接字体を見るという方法は意外に使えなくて、たとえばAndalusというアラビア文字向けのフォント(السلام عليكم)がありますが、フォントファイルを見ても記載されているのはラテン文字だけであり、実際こうして使ってみないとどんな文字の表示に変化を齎すのかわからないことが多いです。メモ帳での確認で言えば、フォント設定画面の「文字セット」の項目を参考にすればフォントの変更を決定するまでもなかったりするんですが、できれば文章単位で見た目の確認をしたいし、それからだとわからない表記の不具合が潜んでいる可能性があります。「文字セット」だと多くても10文字程度しか確認できません(ちなみにAndalusのアラビア文字表記は「文字セット」で確認可能)。
 で、このTITUS Cyberbit Basicですが、メモ帳の「文字セット」からは、その項目に準拠した呼称で言うと、「欧米」、「ヘブライ語」、「アラビア語」、「ギリシャ語」、「トルコ語」、「バルト言語」(リトアニア語とか)、「中央ヨーロッパ言語」(ハンガリー語とか)、「キリル言語」、「ベトナム語」のサンプルが確認できます。ラテン文字の表記に事足りるだけで満足だというのは先に言った通りですが、ここに含まれているように、ヘブライ文字の表記がセリフの体裁で適うことも特筆すべき点です(אני רוצה לנסוע לירושלײם)。
 ところでこの内「アラビア語」の表記は「السلام عليكم」、こんなんで最低最悪の・・・って、あれ!?字の結合が解除されてるじゃん!どゆこと?メモ帳だとこんなことはなくて、ちゃんと結合されていて、尚且つTahomaっぽい見た目になります(つまりこんな感じ: السلام علیکم)。
 まぁなんにせよ、使えないってことがわかりますね。個人的にアラビア文字でサンセリフ系は有り得ないです。
 OSにデフォで入っているフォントだと、Traditional Arabicが好きです。Andalusも捨て難いけどね。Traditional Arabicでは、一部の文字が筆記体の如く表記されるところが評価点です。どういうことかと言うと(上: TNR、下: TA):

نًيِ مُحَمَّ سَمَة

ني محم سمة

 上と下とでは使われている文字に違いがあるように見えますが、同じ綴りです(ちなみに意味のある言葉ではありません。両者の間で見た目の違いが出ることのみを条件にしてテキトーに綴りました)。こういう処理をして表示するアラビア文字用フォントで今のところ知っているのは、このTraditional Arabicだけです。すごいですよね。「筆記体の如く」というのは、ネイティブはこういう書き方をすることが多く見受けられるからです。俺はしません。最初にアラビア文字を書き始めた際こういう風に書くとは習わなかったし、何よりこれ見れば分かると思いますが、こういう字体だとなんの文字が結合しているのか判断できない可能性があるんですよ。なのに好きなのかって?うん・・・まったくの機械的な表示じゃないところに、作成者のアラビア文字に対する敬意を感じるというか・・・これが使われることによって誤読される可能性を孕んでいても、他のフォントとは異なる魅力、それも替えのきかないものであるということが素晴らしいと俺は思うんだ。
 あと実用的に重要なこととして、母音記号が文字とくっ付かないで表記できるという点が挙げられます。上のTMRの方を見れば判りますが、「ني」についている母音記号がアラビア文字と融合しちゃってます。TAの方に付けていないのは、筆記体風の表示が解除されるからです。こんな具合に: نَيِ مُحَمَّ سَمَة
 ・・・ただ、すんごい細いところが難点。Times New Romanと比べると、二回りくらい幅が狭いよね。かなりサイズをでかくしないと字体の結合云々以前に読み辛くてしょうがないです。
 とまあ、こんな感じで、フォントに翻弄されまくっている多言語学習生活を送っています。
 結局は自分で作った方がいいって話になるんだろうなあ、フォントって・・・。
 それでは最後に、ベトナム語用フォントの使用例を筆頭に、表示に不具合のある例も交えつつ、5つのフォント(すべてセリフ系)で書き表されたベトナム語文章と共にお別れです。

(ニューエクスプレス ベトナム語 第4課 より)

Type I. フォント: VU Tha Huong

- Bác ơi, đây có phải là xe máy của bác không?
- Không, đây là xe của con trai tôi. Tôi không có xe máy.
- Còn cái xe mới đó là của ai?
- Cái đó là của con gái tôi.
- Có phải cả hai cái đều là xe Nhật không?
- Đúng thế. Người Việt Nam thích xe Nhật lắm.
- Chàu cũng muốn một cái bác ạ.

Type II. フォント: Palatino Linotype

- Bác ơi, đây có phải là xe máy của bác không?
- Không, đây là xe của con trai tôi. Tôi không có xe máy.
- Còn cái xe mới đó là của ai?
- Cái đó là của con gái tôi.
- Có phải cả hai cái đều là xe Nhật không?
- Đúng thế. Người Việt Nam thích xe Nhật lắm.
- Chàu cũng muốn một cái bác ạ.

Type III. フォント: TITUS Cyberbit Basic

- Bác ơi, đây có phải là xe máy của bác không?
- Không, đây là xe của con trai tôi. Tôi không có xe máy.
- Còn cái xe mới đó là của ai?
- Cái đó là của con gái tôi.
- Có phải cả hai cái đều là xe Nhật không?
- Đúng thế. Người Việt Nam thích xe Nhật lắm.
- Chàu cũng muốn một cái bác ạ.

Type IV. フォント: Times New Roman

- Bác ơi, đây có phải là xe máy của bác không?
- Không, đây là xe của con trai tôi. Tôi không có xe máy.
- Còn cái xe mới đó là của ai?
- Cái đó là của con gái tôi.
- Có phải cả hai cái đều là xe Nhật không?
- Đúng thế. Người Việt Nam thích xe Nhật lắm.
- Chàu cũng muốn một cái bác ạ.

Type V. フォント: Feathergraphy Decoration

- Bác ơi, đây có phải là xe máy của bác không?
- Không, đây là xe của con trai tôi. Tôi không có xe máy.
- Còn cái xe mới đó là của ai?
- Cái đó là của con gái tôi.
- Có phải cả hai cái đều là xe Nhật không?
- Đúng thế. Người Việt Nam thích xe Nhật lắm.
- Chàu cũng muốn một cái bác ạ.

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