未だ帰宅の適わない3冊・・・。
まずはハウサ語の本。
今日、業務がすべて終了した後で、帰る前に店の倉庫でパラパラっと見てみたんですが・・・いや~、なんかもう色々とすごい複雑そうでした。今からワクワクもんです。
あと、ハウサ語で使われていることによって初めて目にするラテン文字があった!これはすごく意外だった。ネットでハウサ語についての情報をチョコチョコっと見たといっても、ホントに僅かも僅かだったんで、まさか正書法で驚かされるとは思わなかった・・・。
ただひとつ・・・「r+~」って表記があったんだよ~!リトアニア語のアクセントと違って常に明確に書き表すのが正しいみたいだったから、これについては今からもう憂鬱だぁ・・・。
ちなみに、アラビア文字は、目にした範囲では一切登場してませんでした。
次にアイルランド語。
もうホント、この本は見る度手に持つ度に著者は偉大であると思い返される。音声教材(なぜかCD-ROM。CD-DAではない)も同梱で言うことナシ!ハウサ語の方はCDなしです。声調言語であるとのことで、且つ、俺が見たページのひとつではイントネーションに図を用いて説明されていたくらい発音の習得が容易でなさそうな言語なんだから、付属でCDは必須だったと思うんだが・・・。
アイルランド語の母音と子音は、性質によってそれぞれ2つのタイプに区別できる点が、ロシア語など、「硬音」「軟音」が厳然と分たれていている言語に似ています。a、o、u(とそれぞれの長音)を後ろに従えると「広音」に、e、i(とそれぞれの長音)を従えると「狭音」になります: 広音: daoine /dˠiːnʲə/(人々) | dia /dʲiːə/(神)。
最後にフィリピノ語。
語れることはまーったくありません。パラパラと見てすらいないなw この中では最初に注文した本なのに・・・。
まぁ、「とりあえず」だよ!気になったら確保しとく!
日本は言語学習者に優しくない国だからね。そもそも日本国唯一の国語である日本語を政府レベルで学術的に研究、保護する機関がない時点で・・・。国語なんとか会?だかなんだかあったと思いますが、たとえばl'Académie françaiseの実質的な役割、権威、強大な存在感に比べればゴミ程の価値もない。
買って持って帰れたところでその学習は後回しになる可能性が多分にあるわけですが、そんなことはどうでもいいんですよ。当分パラパラ暇潰しに見るだけにせよ家になかったらそれすら適わないんだから。
注文はしていないがまだまだ欲しい本はいっぱいあるし・・・利用してるサイトの「お気に入り」の本の登録上限数が100なんだけど、埋まったまんまだからね。
そこで本を注文するようになった当初目をつけていたのが、以前読んだことのある良書、次が基本的なラテン文字しか正書法に採用していない言語、そんでその次、つまり今関心があるのは、「読本」です。本によって解説の詳しさの差はあれど、基本的な文法説明は内包されているはずなんで、ある程度規則を覚えてあとはひたすら文を読むことで頭に染み込ませる・・・ってのができないかなぁと思ってるんだけど、どう?文法規則を知らない、もしくは理解できてなくても暗記はできちゃう人間なんで、ひとつの勉強法として取り入れられないか考える価値があるんじゃないかと。
さて上の3冊とそれに関係する話はここまでにして、学習成果を話題にしたいところ・・・なんですが、新たなことを学んだある3言語は、それぞれの最新の課の本文を覚えただけで文法についての説明をまだちゃんと読んでないので、和訳書いて終わりってことになりかねないのでまだやっちゃあいけないんですよね。
それでもとりあえず文は書きたいんで、暗記の確認も兼ねて本文だけ書き逃げしとくことにしましょうか。
エテケヘ・カ・エケマハ・カ・トィトィ・ウㇱ・ペ・ネ・ナ. マカナㇰ・エイキ・ルウェ・アン
- etekehe ka ekemaha ka toytoy us pe ne na. makanak eiki ruwe an?
キナカㇻ・クス・ペッ・クㇱ・タ・カㇻパ・ルウェ・ネ
- kinakar kusu pet kus ta karpa ruwe ne.
エコㇿ・セタ・エトゥラ・ワ・エアㇻパ・ルウェ
- ekor seta etura wa earpa ruwe?
ルウェ・ウン. クコㇿ・セタ・カ, クマチㇼペ・カ・クトゥラ・ワ・カㇻパ・ルウェ・ネ
- ruwe un. kukor seta ka, kumacirpe ka kutura wa karpa ruwe ne.
クコㇿ・マキリ・エトゥラ・ワ・エアㇻパ・ソモ・キ・ヤ
- kukor makiri etura wa earpa somo ki ya?
エカシ・コㇿ・マキリ・クユピ・エィワンケ・シリ・クヌカㇻ
- ekasi kor makiri kuyupi eywanke siri kunukar.
まずはアイヌ語ですね。
なんと言っても名詞の「概念形」と「所属形」の登場が大きい。上の文章中で言えば、etekehe(きみの手)、ekemaha(きみの足)、kumacirpe(私(兄)の妹)、kuyupi(私(弟)の兄)の太字部分が「所属形」の名詞、ekor / kukor seta(きみ / 私の犬)、kukor / ekasi kor makiri(私の / おじいさんの小刀)の太字で示した語が「概念形」です。具体的に、どういう表現に関与しているものであるかは・・・また後日、ね。アイヌ語の特異性がまたしてもまざまざと感じられる要素です。
これは本当にエライもんですよ。絶対にそれぞれの形は眺めてるだけで暗記できる自信はない。今のところは文の中に組み込んであったら文や文法規則と共に併せて覚えるということ以上に身につけるための努力はしない予定だけど、例文の中の一単語として用いられたことのないものでも、CDエクスプレスは練習問題を読み解いたりそれに答えたりするための語彙として登場させるからなぁ・・・。昔はCDエクスプレスの練習問題、頑張って解いてたんですけど、最近は飛ばすことが多くなってきました。パッと見てサッと答えられなければそれは、真に理解できていない、見に染みていない証拠だと思ってるんで、とりあえず先々と進んでいくことが常態化してます。
あ、ちなみに和訳は後日また改めて。以下の文章群もすべて同じく。
チュテティ・イム・アシュタ・イ・ブクル
I. Qyteti im është i bukur.
モトラ・イメ・アシュタ・ストゥデンテ・ナ・ウニヴェルスィテト
II. Motra ime është studente në universitet.
プリンダリト・エ・ミ・バノィナ・ナ・フシャト
III. Prindërit e mi banojnë në fshat.
ショク・ユト・アシュタ・メカニク
IV. Shoku yt është mekanik.
ナナ・ヨテ・アシュタ・ミェケ・エ・ミラ
V. Nëna jote është mjeke e mirë.
ヴァレザル・エ・トゥ・シュコィナ・プナ・マ・カンバ
VI. Vëllezër e tu shkojnë në punë më këmbë.
ビチクレタ・エ・ティィ・アシュタ・エ・レ
VII. Biçikleta e tij është e re.
アルブミ・イ・サィ・アシュタ・プロト・メ・フォトグラフィ
VIII. Albumi i saj është plot me fotografi.
ポプリ・ユナ・ルフトン・クンダル・シュテュピェス・ポリティケ
IX. Populli ynë lufton kundër shtypjes politike.
タ・ティラ・トリマ・リンディン・ララ
X. Të tillë trima lindin rrallë.
それからアルバニア語です。
・・・って、なんだか微妙にすんなり読まさせてくれないこのフォントはなんだ!
「Stonehenge」ってフォントなんです。上の「アイルランド語文法」で、アイルランド語を表記するための伝統的な字体として紹介されているのを見たのが、このフォントの出会いでした。この字体で書くと、たとえば「oíche mhaith(イー・ワー; =おやすみなさい)」は「oíce mait」となり、消えた「h」はそれぞれに先行する子音の上にドットとして書かれます(デジタルだと手間なくしてはċしか表現できない・・・。このċはマルタ語キーボードで打ちました。この言語で用いるċとġが古英語の表記に必要なので使ってます。マルタ語もやりたいけど入門書がねぇなぁ)。俺はこの字体がものすごく気に入って、あの本でアイルランド語の勉強をしているときは常に筆記に用いていました。ただ、上のd, i, r, sは本で示されていたものとは違う形になってます。また、アイルランド語ではj , k, q, v, w, x, y, zは用いられません(方言によるかもしれんが。少なくともコシュ・アーリゲ方言とコナマーラ方言では使わない)。本が買えた暁には件の字体が見られるページを一部撮影して載せようかな。
さて、この課の存在意義は、学習者に「所有形容詞」を教えてくれることです。とりあえず最も目立っているものはそれなんですが・・・実はページの大半は形容詞の「男性形」「女性形」の形成の仕方とその他諸々についての解説に割かれています。だからこんなもん単語毎を例に述べられても頭入ってこないんだって・・・!文章中では、i bukur(美しい), e mirë(良い), e re(新しい), plot((me+対格)でいっぱいの), politike(政治的な)が形容詞です。「i」と「e」は「前置定冠詞」です。前者が男性名詞を、後者が女性名詞(いずれも主格単数)を修飾していることを示しています。これが付くものと付かないものの見分け方についても書かれています。
クルー・イーラ・パーシュタス
I. Kur yra paštas?
クルー・イーラ・テレフォナス
II. Kur yra telefonas?
クルー・イーラ・ストティス
III. Kur yra stotis?
イー・デーシネー. イー・カイーレー
IV. Į dešinę. Į kairę.
アントラメ・アウクシュテ
V. Antrame aukšte.
カイープ・マーン・ヌヴァジオーティ・イー・ストーティー
VI. Kaip man nuvažiuoti į stotį?
プラシャウー・カルベーティ・パマジュ
VII. Prašau kalbėti pamažu.
で、3つ目はリトアニア語。
・・・って、このやたらと読み辛いフォントはなんだ!
「Stonehenge」と同じくネットで拾ってきた「Feathergraphy Decoration」ってフォントです。いやこのフォントすごいんですよ。過度な装飾もすごいんですが、それ以上に、リトアニア語の字母をすべて問題なく綺麗に表示させることができる点が素晴らしすぎます。セリフ系のフォントでは大抵「ę」とか「į」はアウトなんですよ。
上の「Stonehenge」とこれ併せて、タミル文字、シンハラ文字、デーヴァナーガリー、アルメニア文字のイケてるフォントを拾った後に、すっかり忘れてたラテン文字用のやつを探し始めて色々見つかったものの内の一部なんですよ・・・探す順番おかしいよなw 余談ですが、最近文字をデカいサイズで書く際に愛用していて、そして今回もアイヌ語の文章に使ったのは「Palatino Linotype」ってフォントです。古典ギリシャ語を一切の不具合なく表示させるために必要不可欠なフォントの内のひとつで、リトアニア語の特殊な字母などにもバッチリ。そもそも見た目もシャープでカッコイイし、すごく利用しやすいフォントです。これはデフォでOSに入ってるはずです。古典ギリシャ語を始めたのは3年くらい前なんで勿論このフォントの有用性についてはよく知っていたのですが、古典ギリシャ語以外にラテン文字を表記する際にも是非利用すべきものであると気づいたのはここ最近です。
さて前2つと同じように内容に少し触れようかなと思うんですが、そもそもこれで文すべてじゃなかった気が。
会話文なら、それを構成する個々の文はハイフンで導いて、全体がひとまとまりを成していることを俺は示すようにしています。これは見ての通り互いが互いに関係のある問答ではありません(一部それっぽいものもあるんだけど)。そんな文なのにむしろこんだけよく覚えてる自分を褒めたいくらいだ。とか言ってるのに同じようなつくりのアルバニア語文は覚えられたのかと自分に突っ込みたいところですが、あれもあれで文の登場順が違ってるような気がしてます。
この課では「文法格」が登場します。I.からIII.までの、-asを語末に持つ名詞は「主格」で、dešinę, kairę, aukšte, stotįは・・・なんだっけ?w ちゃんと見てないからね、仕方ないね。「antrame aukšte」は「2階に」って意味だからaukšteは「処格」ってことは確かで、他はたぶん対格だったとは思うんだけど・・・。というか、印欧祖語に近いと言われる他の言語を参考にするまでもなく、ラテン語を知ってれば「なんとなく」で対格かなと思えるんだよね。
「į」がかつてiの鼻母音を、「ę」がeの鼻母音を示していたことと、前置詞「į」が「...に」を意味することを念頭に置いて、ラテン語でこれらにあたるものは何かと考えると、「į」と同じ意味を持つ前置詞「in」と、「単数対格語尾「-m」」という鼻音を含む要素なんだよね。ラテン語の全名詞の単数対格形が-mで終わるわけではないけど、これを特徴にしている一分類があるのも確かで、たとえば「島に」(移動先の到達点として)は「in īnsulam(< īnsula; f.)」と言う。サンスクリットの単数対格指標のひとつが-म्(m)という語尾であることを考えると、リトアニア語の鼻母音は、元は「母音+m」という結合であったのではないかと俺は思う。
まぁ、これで上の対格であると思われる名詞群が別の格として曲用されていたらアホ過ぎだけどw
ところでこいつらそれぞれ主格がdešinės, kairės, aukštės, stotis(III.にある通り)なんだけど、それぞれ音が「デシネース」、「カイレース」、「アウクシュテース」、「ストティス」で、aukštės以外の前置詞「į」に導かれている方は、上に書いてある通り、「デーシネー」、「カイーレー」、「ストーティー」なんだよ。伸ばすところが格によって変わるんだよ・・・。アクセントの位置による問題だから、「デー」、「カイー」、「ストー」のそれぞれの部分は見た目は短母音のままなんだ。ちなみにこの伸びている部分はすべて上昇アクセントを有しています。主格形で長音である部分も同じくそのアクセントは上昇です。あ、stotisのアクセントは「stòtis」として示され語幹にあり、短アクセントです。
・・・どこが「本文だけ書き逃げ」なんだw
何か述べないと気が済まないってわけなんだな。
これだけでも大分疲れた・・・。「慣れないことすると・・・」と言うが、俺にとってこういう解説もまさしく「慣れないこと」にあたってるもんな~。