2011年7月16日土曜日

忘れてたワケじゃないんすよ

♪MVCG-169

 忘れてたワケじゃないんすよ。

Slash's Snakepit
It's Five o'Clock Somewhere
MVCG-169

 インパクトの強さで優先的に語らされた他の話題があったってだけでね。
 バンド名順に聴いたわけだから、Van Halen IIIよりも先に聴いていたのだ。
 ふむふむ、ギター中心のナマナマしいバンドサウンドを中核に据えた音作りと曲の構築の仕方はGuns n' Rosesの1st・Appetite for Destructionに通じる聞き易さとゴマカシの効かない魅力が感じられますな。
 個人的にこういう、メタルよりもロックン・ロール寄りのリフってのはかなりアコガレでして、弾こうと思っても弾けないです。スコアあってもムリ。メタルとかの細かくキザむリフなんかの方が百倍カンタン。あんまピッキングの範囲は広くないし指も忙しくないことが多いからね。
 たとえばB'zCallingの冒頭のリフとかね、1本だけってのと複数押さえて弾くってのが混ざってるフレーズあるでしょ。
 あれ、あれなんすよ。ニガテ。
 でもギターって本来、ああいうフレーズを奏でさせてナンボの楽器だと思うんですよね。
 誰かがギターはリード楽器だって言ってました。確かプロの人です。
 いや・・・違うでしょ。確実に。
 ありていなバンドサウンドの中でリードに回らせたら最も音の目立ちやすい楽器ではあるけど、6弦+22F(大抵の場合ね)ですよ、リードのままで腐らせとくんスカ?
 HR/HM系を聴いてギターに目覚めた者の宿命とでも言いましょうか、俺も弾きたてから大分長い間に亘って1弦か2弦の高いポジションばかりを押さえて弾く演奏を繰り返してました。
 まったく飽きもせずね~。色んな人の演奏聴いてバッキングの面白さに目覚めるまでもなく、そういうプレイがつまんないもんだってなんで気づけないんでしょうね。バカなんですね。
 俺にバッキングの面白さを教えてくれたのは松本孝弘です。
 指板上を上に下に、右に左に縦横無尽。
 特にかつてのギターソロでのピロピロっぷりも強い憧れを抱いたもんですが、彼が色んな曲で総合的にどんなプレイをしているのかを知ってからはあまり間を置かずに「こいつが本当に凄いのはバッキングなんだ!」と悟りまして。
 ちょいと脱線しましたが、つまり複数の弦を掻き鳴らしてナンボだと思うわけですよ。
 で、Slashのプレイはイイなと。モチロンGilby Clarkeもね。
 だから掛け値なしで、ギター鳴った瞬間「ああこのアルバムはかっこいい」と思うわけですよ。
 #1にはこれまた強い憧れを持ち、いつか自分でもバシッと鳴らしてみたいと思うブルースハープも入ってたりね。
 掴みバッチシ。
 録音環境はあんまり良くなかったのか、ちょいとバンドサウンドが最高潮に入るとダマっぽくなってるのが気になりますけど、マァロックですし、個々がしっかりしてるのが一度ひとたびわかれば「なんかアツいな」的、雰囲気に対する感想が混じっても全然アリかと。
 Guns n' Rosesに比べるとカナリ無骨で、実は、というか実はもクソも俺みたいなヒリキ君にはあまり手放しで楽しめる雰囲気がこのアルバムにはあるってわけでもなく、野生的なロックに対して脳ミソフル回転、オンシツガー、ギターフレーズガー、キャッチーサガーとか色々考えながら聴いてしまうのはテクをウリにしていたりプログレ風味なところを宣伝に利用してるバンドに触れる際とあんま変わんないです。
 歌メロはあんま愛想ないですネ。
 でもこのアルバム、どう考えても一番に耳に入れとくべきはSlash & Gilby Clarkeギター隊の演奏だと思うので、そっちが楽しめればモト取れるんじゃないでしょーか。
 ブルース入ったロック系ギタリストが2人いる際の演奏の面白さってのはここですよね。
 HR/HMだと「なんで2人いるの?」って重ね方してるヤツホント多いからナァ・・・。
 そんなわけで、バンドサウンド=楽器隊に楽しまされればこのアルバムは好きになれます。
 ナンカ問題あるとしたら?
 ちょっと文章引き伸ばしてタメてきましたが、今こそ申し上げましょう、

Eric Doverのヴォーカル!

 Axl Roseそっくりです。
 まったくそうってわけではないんですが・・・。
 ライナーノートにAxl Roseを彷彿とさせるみたいなことが書いてあって、俺としては珍しくCD聴く前に読んじゃったので(そのときヒマだった)それが似てると意識させてるきらいもなきにしも非ずかもしれませんが・・・。
 誰が文責負ってたかは忘れましたけど(セーソクのアホかな?)、SlashのプレイにAxl Roseらしさを感じさせるマジックがあるとかなんとか・・・全然意味わからなかったです。
 今にして思えるのは「ホホー、名実共にトップギタリストである彼のプレイを引き合いに出せば自分が納得できない点に対する言い訳っぽく使えるワケか~」ってことだけです。
 マジック?
 やっぱアホだろコイツは。
 そっくりだよどう考えても。
 「Eric DoverがAxl Roseを意識したわけはないが」とも書いてありました。
 それは俺もそう思います。
 じゃあ単に「似てる」でいいじゃん。
 なんでマジックとか書くの。思うの。
 John WestInto the Eye of the Stormでの歌唱がJoe Lynn TurnerJeff Scott Sotoっぽくて彼らを意識せざるを得ないと書きましたが、このCDの場合はとにかくAxl Rose。
 ま、問題とか書いちゃいましたけど、そんな大きなことでもないんです、実は。
 ちょっと気になるな~。そっくりだしな~。Slashが見つけてきたわけだしな~。
 と。
 Slashが何考えてシンガー決めたかなんてリスナーにゃまるで関係ないんですけどね。
 そっくりさんなら凌駕してくれないと、そっくりであると比較される元の人物の劣化バージョンに聞こえてしょーがないんですよね。
 十分パワフルではありますし、正直音の太さはEric Doverが勝まさってます。
 言ってもしょーがないグチのよーなもんです。
 これがボーカリストがAxl Roseに似てない強力な歌唱力を備えたシンガーだったなら、個人的にブアイソに感じられるバンドサウンドはそいつの引き立て役としてソリッドなところがイイとか思ってたかもしれません。
 ネチっこい歌い方のできる、つまりはブルーズを知るシンガーが欲しかったんでしょうね、Slashは。
 関係ないんですケド、最近Nazarethを初めて聴きました。Hair of the Dogです。Axl Roseの歌唱の元になっていると言われているボーカリスト、Dan McCaffertyのバンドです。
 いやー・・・こりゃ紛うことなきAxl Roseのルーツなんですね。
 Axl Roseを聴き慣れたせいなのか純粋に本人の力量によるものなのか、Nazarethの歌も非常にかっこよくて良かったです。

 ちなみに目当ての曲であったMonkey Chowですが、まさかあんな疾走感のある曲だったとは・・・。やっぱ実物はシビれるかっこよさ!

 ※Gilby Clarke、あとBrad Gillisとかもそうなんですケド、「ヂ」ルビー、「ヂ」リスじゃないんですよね。G+E或いはIでそのGが/g/になるのって英語じゃ結構あるんですかね。Gilby Clarkeの本名はGilbert Clarkeだそうで、Paul GilbertEric Martinにライブの際「ギ」ルバートと言われているのを聞いたことがある身としては、「ギ」ルバート > 「ギ」ルビーなんだなと納得せざるを得ないところがあるンですが・・・なんかフクザツです。アア、そういやGeezer Butlerも「ヂ」ーザーじゃなくて「ギ」ーザーだな・・・。イヤPaul Gilbertはポーランド系だから特別に「ギ」ルバートなんじゃないのと思ってみたり・・・。ところでナンでBrad Gillisはギ「ル」スなんですか?

過去の記事(アーカイブの頻度: 週毎)