とりあえずはまとめてみた後置字。
しかし今回はかなり不格好だと自分でも思う。
それに、ここ3日をかけてまとめてきた後置字以外のものは、よりコンパクトな説明を試みる前に、一度は記事に書いていたということも、今回初めて記事の主たる話題にする後置字(一度、他の字のことを前面にして書いた際に、ちょっとだけ言及したことがあったと思う)とは異なる点だ。
故に、記事向けに見映えのする体裁を、初めて書くものとして、また、ノートに書いた通りでなく、その内容をここで編集する過程で更に小さくまとめるべく、大分苦心する羽目になりそうだ。
せめて、Web上入力システムに頼らずしてチベット文字が打てたら大分楽になるだろうなあ・・・。
I - ག
①+ག་ / གས་(A / Bいずれも^~`): 黙字; 直前の母音を長音化; iかeの後では稀に有音
Caa, Cii / Cik, Cee / Cek
※直上の説明に完全に沿うものは、凡例としてのCaaを除きラテン文字で表現しない。ここではCuu, Cooを省略。以下同。
②二音節語に於いて: 第一音節末で有音; 第二音節末で直前の母音を長音化
第一音節´~"Caa / Cak + 第二音節^~`Caa
③+後置字+接字
3-1. [形容詞 / 名詞語幹-ག་ / གས་]+接字པོ་: 接字の子音及びこれに含まれる母音が変化する
´~"Cako, Ciku, Cuku, Cekpo
※この項では、①と違い、直上の説明に沿うものをラテン文字で表現し、更に変化部分を下線で強調。ここで省略されているのはCoko。
また、後置字が有音となっているわけではなく、あくまでも接字の音がpからkになっているものであるとのこと。
Cekpoについてはこの表記以上の説明がなかったが、後置字と接字の子音自体が共に有音化しているものと思われる。
3-2. [形容詞比較級 / 動名詞語幹-ག་ / གས་]+接字པ་
´~"Caka, Cekpa
II - ང
①+ང་(´~") / ངས་(^~`): 黙字; 直前の母音を鼻音化; iの後ではŋ
Can, Ciŋ
②二音節語に於いて: 第一音節末で直前の母音を鼻音化或いは有音; 第二音節末で直前の母音を鼻音化
Can / Caŋ + Can
③+後置字+接字
3-1. [形容詞 / 名詞語幹-ང་ / ངས་]+接字པོ་
´~"Caŋko, Ciŋku, Cuŋku, Coŋko / Coŋpo
3-2. [名詞語幹-ང་]+接字བ་
´~"Caŋa
3-3. [形容詞比較級 / 動名詞語幹-ང་ / ངས་]+接字བ་
=3-2.
III - བ
①+བ་ / བས་(A / Bいずれも^~`): 有音; 一音節の動詞語幹末で直前の母音を長音化
Cap; Caa
②二音節語に於いて: いずれの音節でも有音だが、両者共に有している場合は、第二音節末で黙字且つ直前の母音を長音化
´~"Cap + ^~`Cap (Caa)
③+後置字+接字
3-1. [形容詞 / 名詞語幹-བ་ / བས་]+接字པོ་
´~"Capu, Cipu, Cupu
3-2. [形容詞比較級 / 動名詞語幹-བ་ / བས་]+接字པ
´~"Capa
IV - མ
①+མ་(´~") / མས་(^~`): 有音
Cam
②二音節語に於いて: =①
V - འ
①+འ་: 黙字; 直前の文字が基字であることを示す
※この働きが具体的にどういう効果をもたらすのかは、この説明だけでは不明。
VI - ར
①+ར་(´~"): 黙字; 直前の母音を長音化; 語によって有音
Caa; Car
②ར་が助詞である場合: 直前の母音を変え、且つ長音化
Caa, Cii > Cää, Cuu > Coo
③+後置字+接字
[形容詞比較級 / 動名詞語幹+ར་]+接字བ
Cara
VII - ད + VIII - ས
①+ད་またはས་(^~`): 黙字; 直前の母音を変え、且つ長音化
Cää, Cüü, Cöö
※iとeは長くなるだけで変質はしない。
②二音節語に於いて: =①
IX - ན
①+ན་(´~"): 有音で、且つ=VII(声調の下降化と黙字であること以外)
Cään
X - ལ
①+ལ་(´~"): =VII(声調の下降化以外)
②+後置字+接字
[形容詞比較級 / 動名詞語幹-ལ་]+接字བ་
Cära, Cira, Cüra, Cera, Cöra
XI - འི
①+助詞འི: =X
こんなところです。
いやー長くなりましたね。書き始めてからそろそろ1時間半経ちます。
幾つかの後置字に「二音節語に於いて」の説明がありませんが、これは本にもなく、俺は「=一音節語に於いて」だと解釈してます。
「これらの後置字を含む語が二音節語を形成することはない」とも解釈できますが、それだとそう書いてるんじゃないかな・・・。
ノートに書いたものよりはすっきりしました。
その数故に仕方ないのかもしれませんが、それでももうちょっとコンパクトにならんかなと思いますね。
たとえば再後置字ས་は付くものが限られており、また、上にある通り、一音節語に含まれ、特定の語幹末にཔོだのབだのといった接字を従えない限りは声調を必ず下降調にするので、これを先んじて説明しておいて、実際に後置字を示して説明する段では省いておく、とかね。