2011年6月25日土曜日

音楽ってそういえばこんなお顔をしていた気がします

♪Tankard - Chemical Invasion / The Morning After [VICP-64514]

 さてさて聴きましたよ、EntityFly from Here。ついでにIconoclastはあれからもう2回聴いたな。前作であれだけカラフルな力作を生み出したバンドの新作がこれか?とどうしても納得いかなかったので。その前作であるところのParadise Lostは7年越しの新作だっけ?新曲を練った期間の違いなのか・・・?
 Entityは1回、Fly from Hereは昨日と今日併せて今のところ2回。
 何故Yesは2回聴いたか?
 それは素晴らしかったから!
 今日起きて、また聴きたい!って思ったわけですよ。
 Benoît David、彼はJon Andersonに代わるYesの新ボーカリストとしては良い・・・のでしょうか?
 私実はYesのアルバム、Fly from Here以外はFragile(こわれもの)しか持ってないんですよ。すごくいい作品ですよね。
 なんで、10年振りの新作!とか、新ボーカリスト加入!って言われても全然ピンとこんのです。ていうかYesってまだ新作出す気力があるんだ~って感じで。Pink FloydとかKing Crimsonはもうずっと新しいスタジオ作出してないですよね、確か。 
 #1のFly from Here - Overtureで聞こえてきた声にまず思ったこと・・・「フ、Freddie Mercury?」。
 名前忘れましたけど、あとなんか3人くらい著名ボーカリストを彷彿とさせられましたなあ~。
 まぁつまりは魅力満載な声質、歌唱ってことなんですよ、おそらくね。
 昨日聴いたときは封切ってCDのパッケ開けてCD取り出してセットして聴いた、ってだけで、インナーとか何も見てなかったんです。
 今日聴いたとき初めて目を通したんですが・・・すごい枯れてますねこの人ら!Steve Howeのハゲっぷりがヤバイ!
 まとまった音を聴くと雰囲気ははさすがに今風だと言えるんですけど、演奏のアプローチや個人々々の楽器のトーン自体からは、Fragile以外を一切飛ばして2011年、最新の彼らを聴いたところでまったく別人のようだ!などとは思えないですね。
 初っ端はキーボードがソロで音を出してるんですけど、途中からバンドが一丸となってズドンとやるんです。Chris Squireのベースが浮きすぎててズッコケましたもん。FragileでもブリブリでJohn Entwistleが混じってる!的な音を奏でてましたが、あのスタンスは今でも変わってないんですね。
 Fragileは当然ながら今風の音作りとはかけ離れた方法論で楽曲が構築されとったわけですが、音の隙間がよく感じられる空間が感覚で捉えられたら、「ああみんなバンドメンバーとしての仕事はしているがエゴ丸出しだな」と微笑ましく聴けたわけですが、昨今の、バンドとしての音が必要以上に一丸となっていて、強風がずっと耳に吹き続けているような、一息つけない空間が頭で思い浮かべられるような音の塊の中にあっては、Chris Squireのプレイが耳に入ってきた途端に「なんかひとりおかしいやつがいるぞ!」的な感想が、俺はどうしても出てしまいます。
 個人的にはキーボーディストがいるバンドってのが理想的な形態をしていると思っているんですが、Deep PurpleBon JoviRoyal HuntAsia、そしてYesと、あまりこれまで数は多く聴いてないのです。
 なので現在的なキーボードの音色の出し方といえば、André Andersenが奏でるようなケバい感じ(一昨日久々に1996を聴いたんですけど、あの頃の音色の方が断然いいですね!)がまず頭に浮かぶのですが、そこはYesと言ったところ?全然バンドについて知らないに等しい者が言えたものではないですが、あんな過度にキラキラした音色はしてないです。でもしっかり頭に入ってくる。好きな音色だからでしょうかね。いや、他の楽器が空間を埋めきっていないからだな。
 Steve Howeのギターなんて、歪みのついたトーンが出てきたかどうか全然思い出せないくらい、音圧への貢献とは無縁な澄んだ音が印象的でしたね。勘違いでなければ、トシなのか結構アラも聞こえてきましたが、やはり音楽的に深い。哀愁とメロディが同居してるとこんなにも胸に来るんですね~。
 なんかもうね、癒されましたよ。
 個人的な最近の嗜好がエクストリームメタルだったので、Origin聴くぞーViraemia聴くぞーBorn of Osiris聴くぞーTrigger the Bloodshed聴くぞーDestrage聴くぞーAtheist聴くぞーRam-Zet聴くぞーProject Hate MCMXCIX聴くぞーもういいからrelentlessなバンド全部寄ってこい!というスタンスで色々探してました。
 いやー、音楽ってそういえばこんなお顔をしていた気がしますね。
 しかしOriginのEntityを否定するわけではないぞ!
 聴いた順はOrigin→Yesでした。
 さてどうなったんだろう・・・?とワクワクして再生ボタンポチッ。

 ズドドドドドド・・・

 おおよかった、なーんにも変わってない!
 ボーカルの比重が軽いのは前作と同じ。
 それにしてもこれリードボーカリスト、Mike Floresなのか?
 プロモビデオをアテにするなんてとか言われそうだけど、Finiteで見られる、Paul Ryanがシャウトのコーラス入れてるとき聞ける声と、今作でも聞けるその手のシャウトの声が同じなんだよね。おそらくNileと同じくボーカルパートは弦楽器隊で分けてるんだと思うけど・・・。Dallas Toler-WadeKarl Sandersの声の違いはわかるけど(厳密には、Dallas Toler-Wadeの大ファンなので彼の声を追ってKarl Sandersでないことが判る)、Originのこの2人は・・・。
 そんなことはお前らだけのミーティングでやっとけ!とでも言わんばかりに、John Longstreth大先生はブラスティング・ストームと化してバンドの屋台骨になると共に主役も兼ねた働きを見せてくれるのでした。
 フレーズを用いた暴虐さの表現力が上がっていますが、基本的に非常にスピーディなのでドラミングと相俟って気持ちイイ。
 ただ、Finiteのようなキャッチーな曲はなくなりました。俺はこういう曲がアルバムにひとつくらい欲しいので、この点だけ残念。
 思えばテクデスの入口は、つべで観たNileのAnnihilation of the Wickedに収録のSacrifice unto Sebekでした。ついでにデスコアへの入口は同じくつべでたまたま見つけたSuicide SilenceBludgeoned to DeathThe Cleansing収録)。
 このテのものでもキャッチーな曲はつくれるんですよね。そしてそれが結果的に最適なエクストリームメタルへの誘いとなってくれた。俺はこの2曲には感謝しきれません。だからこういう曲があればなと思ってしまうわけなのです。
 エクストリームメタルフリークだと自分では思ってますが、真の...ではないのですかね?
 目指してもいませんが。
 キャッチーさはなんのジャンルにあっても嬉しいものですよ、俺はね。
 =ポップじゃねーんだぞ?

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