2010年12月18日土曜日

クセにならずにはいられない

 聴きました、7th Story Märchen。
 Mr. BigキャンディーズSound Horizonの3つを買ってきて一番最初に聴いたのは確かMr. Big。それ以外のCDは、Mr. Bigを聴いてる間にPCに取り込んでた。
 サンホラのCDの番になったとき、驚いたのがそのトラック数。38だったかな?けどジャケとかブックレット見てみても10曲もない。
 「「語り」とやらが曲間に挟まっててトラック数が多くなってんのかなぁ」と思った。しかし、今日コンポで再生して聴いてたんだが、ふと8曲目が流れる中ディスプレイを見ると、Tr. 8の文字。オッサンが喋ったり小芝居があったりドイツ語のナレーション(ギリシャ語の次はドイツ語・・・ブックレット内のクレジットをドイツ語で書くために必死こいて色々調べたのかなぁと想像するとすごくダサい)があったりするが、それは関連するトラック内にすべて収められていて、分かたれていないようだ。
 で、すべての曲が終わると最後のトラックナンバーを映してCDの最後のトラックナンバーが表示されるわけだが、「Tr. 38」・・・。アルェー? いつの間に?(実際に起こったことを書いてはいますが8とか38とか数字自体は正直うろ覚えなんで違うかもしれません)
 さて感想ですが・・・。

 うん、いいじゃん。
 なんかこれまでとは作風が大分異なるらしいんだけど、俺はMoiraから聴き始めたので(厳密にはなんとかの楽園とか、あと1、2曲なにかつべで聴いたことがあるが)曲の途中でも否応なしに聞かされる小芝居や、「あれ、今何曲目?さっきの終わってるの?」という感覚を持たされる曲構成にも「またか、ようやるわ」程度の感想しかなく。
 尼には「キラーチューンの1曲目以外はダメ」みたいなあるレビューがあったけど、個人的には1曲目みたいなのはMoiraの延長にしか思えないので、いらないってわけではないけど明らかに浮いてるのでキラーとは思えなかったな。なに、サンホラってメタルテイスト求められてんの?クレジット見る限り全曲ドラムは打ち込みみたいだけど音作りが妙にショボいし、ストリングスやコーラスが仰々しくて悪い意味でメタルチューンに取り入れたものとしてはウルサイので、メタル曲はあんま良くないなって印象があるけど。これはMoiraも同じ。Moiraで一番好きなのはМатрёшкаだしね。ズボリンスキーw ただ、ギターソロは凄まじかった。ここは完全メタル。クレジットじゃ#1のギタリストは2人いて、どっちがソロとってんのか知らないけど、ピロピロの嵐だったね。YUKIって、ABCのアルバムに参加してたあのYUKI?
 グリム童話を楽曲に起こした・・・ってところは俺にはどうでもよく。コンセプトアルバムっていまだかつてその物語性やメッセージが琴線に触れたことないので、何がテーマかってのは重視しない。その辺の解釈を自分の中に生み出しつつ聴くと違った楽しみが得られるのかもしれないけど、俺は難しいことはしない主義です。頑張りません。力みません。考えません。
 多数参加しているボーカリストですが、正直好きな人はひとりもいません。この辺どうにかならんかなと思いますが、不満ってほどでもない。Jimangが女を演じてるあたり、Revoはマジなのか若干おちゃらけでボーカル入れてんのかよくわかりませんが・・・まぁ好きな人は好きでいんじゃねと、歌手陣には思い入れがありません。「ぐーーてんもるげん!」がかわいかったなと、それだけ。ヘンデルとグレーテルはほんまもんの子供なんでしょうかね、アレ。あ、みゆきち&藤田咲参加が嬉しかった。
 韻も踏んでないし最も盛り上がる点への通過点のひとつでしかないような、単なる台詞のような歌詞にも印象的なメロディをつけるRevoの技術はスゴイ。サムい芝居もありますけど、なんだかんだで歌のある場面すべてで引き込まれたってのは驚嘆。
とっても、とっっっても重厚です。一応思いつく感想を挙げてみましたが、これじゃ終わらないだろうと自分でも思います。前作・Moiraだって味わい尽くしたとは言えないし、まだまだ俺自身も聴いてみたい。
 サンホラはMoiraとMaerchenしか持ってないけど、この2作だけで一体どれほどの間、いずれかのCDを次に買うまでの「つなぎ」になるのかと・・・。
 「芝居」だけはどうしても完全には受け入れられないけど、その上で展開される音楽にはどうしようもなくシビれます。
 とっても面白い存在です、Sound Horizon。完全には慣れられないものが含まれているからこそいつまで経っても軽々しく聴くことができず、その価値が別格になってるっていうのはあると思います。クセになりそうで、しかし何周、何時間、何日も連続で聴く気にもなれず、一度聴けば次聴くまでのスパンをある程度置いてしまうので飽きもなかなかこない。
 クサいものは忌避したい反面、その臭いがクセになってしまう可能性があるということに似ています。
 素晴らしい要素の内包を知っていて、たまにとんでもない悪臭が混じっている・・・つまりはクセにならずにはいられないってことですね。

過去の記事(アーカイブの頻度: 週毎)