2014年6月3日火曜日

アンタ(大学書林)、やったな!

アンタ(大学書林)、やったな! 
(虎柄の彩色とか、できないかな・・・)

 やってくれましたっていうか、やってくれてました。

 ロマンシュ語の入門書を出版していたのです!

 ルクセンブルク語に続く秘境(大ゲサ)の言語の本でございます。只まあ、あながち秘境でもないかもしれない。ロマンシュ語圏は山ばかりなので、よっしゃスイスにロマンシュ語を聴きに行こうといざ入国しても、そこへ到達するのは中々骨が折れる可能性が微レ存?
 出版されたのは今年の1月。言語の勉強は続けてますが、新しい本のネットでの検索は長いことしてませんでした。ただ、本はちょっとだけですが増えましたよ。ハワイ語(9784095066134)、スワヒリ語(9784560085271)、そんでビルマ語(書名としてはミャンマー語; 9784806145813)の3冊で、パチンコで勝った帰りに西院のあおい書店にて全部衝動買いでしたねェ。今はそいつらとじゃなく、昔買った本と戯れとるわけですが。
 さてさて、このロマンシュ語の本、出版を知ったのはセブンイレブンのお陰でした。
 家から100mほどの処にセブンイレブンがありまして、最近昼食、夕食をよく世話してもろとるんですが、数日前くらい、とにかく超最近、入店直前に、それまでは目に入ってなかった入り口の向かって右にある張り紙がふと目に入りまして、「CD・書籍取り寄せます」みたいなことが書いてあったんですよ(実際のものは思い出せないが、もっと長くて、凄く利便性を期待させる様な文言)。
 家から近くてよく利用してる本屋じゃない店で本も買えるのなら(実際には食いもん以外にもHUNTER×HUNTERとかジョジョのストーンオーシャンのコンビニコミック版を買ってるんですが)単純にイイね、ってことで、じゃあまぁ取り敢えず言語の本でも検索するかぁってことで、セブンイレブンのネットショッピングサイトにアクセスして、最初は白水社、次に大学書林で検索してみたところ・・・出てきたのが、「スイス「ロマンシュ語」入門」だったというわけです。
 これは、目次から察するに、大修館書店の「バスク語入門」(ISBN: 4469210773、何故かバーコードが印刷されてない・・・)みたいなつくりではないかと思われます。即ち、「バスク語入門」の副題が「言語・民族・文化―知られざるバスクの全貌」であったように、ロマンシュ語話者をつくる、育てることを目的としたものではなく、ロマンシュ語と、それを囲む環境などを解説する、「ロマンシュ語圏概説書」みたいな感じなんじゃないでしょうか。
 それにしても、「スルシルヴァ方言」って言葉がまたそそられますね。ロマンシュ語版Wikipediaのメインページは、ロマンシュ語の6つの方言(たぶん。以下、便宜的に方言ってことで話を進めます)によってつくられており、ここに「Sursilvan」ってタブがあるので、比較的話者の多い方言であろうことが窺えます。
 記事毎に6つの方言による執筆が見られれば最高だったのですが、まぁそんな手間のかかること誰もやるわけがなく・・・でも方言毎に異なるメインページの文言を眺めるだけでも私は面白いです。
 ちょっとここに載せてみましょう。上から順に、Rumantsch Grischun(この“tsch”、“sch”って表記が如何にもドイツ語的!おそらく表す音もドイツ語でのそれと同じでしょう。英語で言うと、churchの“ch”、shineの“sh”)、SursilvanSutsilvanSurmiranPuterValladerの各方言形です。


Bainvegni tar la Vichipedia rumantscha,
l'enciclopedia libra a la quala mintgin po contribuir – ils emprims pass èn fitg simpels!
Fin uss èn gia 3,509 artitgels rumantschs vegnids scrits.
                                                                               
“tg”という綴りが日本語版Wikipediaに奇妙だと書かれていましたが、その理由が理解できないですね。
アイルランド語の可読性の低さに比べれば何をか言わんや。
ちなみにカタルーニャ語にも同二重子音表記が存在し、こちらは/dʒ/を示します。ロマンシュ語でも同じ?

Beinvegni sin la Vichipedia romontscha,
l'enciclopedia libra a la quala mintgin po contribuir – ils emprims pass ein fetg simpels!
Tochen uss ein 3,509 artechels romontschs vegnids scrits.

                                                                               
Rumantsch Grischun形とよく似ていますが、「ロマンシュ語版Wikipediaへ」の「へ」にあたる前置詞が“sin”になっているところが目立ちますね。
また、唯一「ロマンシュ語(の)」に当たる言葉が、“ro-”で始まっています

Bagnvagnieu tar la Vichipedia rumàntscha,
l'enziclopedeia libra a la quala mintgegn po contribuir – igls amprems pass en fetg sembels!
Tocen uss en 3,509 artetgels rumàntschs vagnids screts.

                                                                               
「ロマンシュ語(の)」という言葉に、“-à-”が認められるのが気になるところ。アクセントなのか、それとも別の何かなのか。
あと、“Bagnvagnieu”とか、“mintgegn”という言葉の“gn”は、フランス語に於ける“gn /ɲ/”なんでしょうか?
また、他のバージョンでは“enciclopedia”であるが、“enziclopedia”になってますね。
この“z”、イタリア語やドイツ語的に考えれば/ts/、スペイン語的に考えれば/θ/ですが・・・はてさて。
や、/z/であるかもしれませんが、「エンズィクロペディア」って名称を付けている言語は見たことがないので・・・。

Bavegna tar la Vichipedia rumantscha,
l'enciclopedia libra alla quala mintging pò contribueir – igls amprems pass èn fitg simpels!
Anfignen ossa èn gio nias scretgs 3,509 artetgels rumantschs.
                                                                               
最初に目につくのは、「ようこそ」にあたる言葉が少なくとも見た目の上では、先の3つのバージョンに於けるそれよりも短いこと。
また、“l'enciclopedia libra”の直後の、他のバージョンのいずれも“a la”となっている箇所で、このバージョンのみイタリア語よろしく“alla”と融合が起こっていますね。
更に、他のバージョンでの“ils”は、すぐ上のSutsilvan版と同じく、“igls”という語形になっているところも注目点。
ただ、/igls/ではなく、/iʎs/かもしれないですね。

Bainvgnieu tar la Vichipedia rumauntscha,
l'enciclopedia libra, a la quela minchün po contribuir – ils prüms pass sun fich simpels!
Fin uossa sun 3,509 artichels rumauntschs gnieus scrits.
                                                                               
こりゃあもう、一番目につくのはトレマ(“ü”)でしょう。ウムラウトなのかどうかはわかりませんが。

Bainvgnü pro la Vichipedia rumantscha,
l'enciclopedia libra, a la quala minchün po contribuir – ils prüms pass sun fich simpels!
Fin uossa sun 3,509 artichels rumantschs gnüts scrits.
                                                                               
上と同じく、トレマがあります。また、「ようこそロマンシュ語版Wikipediaへ」の箇所で、他の殆どのバージョンで“tar” となっているところがこれは“pro”になっています。
個人的には、“pro”の方がロマンス系としてはしっくりくる感じですが。

 個人的には、SutsilvanかValladerを扱ってくれてた方が良かったなァ・・・なんて(汗)。
 また、「スイスドイツ語」についてページを割いているようで、こちらの解説も非常に気になります。ロマンシュ語は、地理的な理由から、ロマンス諸語にしては珍しくドイツ語に影響されている要素が多いらしいので、ロマンシュ語の理解にはドイツ語の理解もまた欠かせないのかもしれません・・・っていう、何故スイスドイツ語を扱っているのかという理由についてはまぁどうでもよくて、非常に気になる理由は、単純にスイスドイツ語って標準的なドイツ語とどう違うんだろう!ってことにずっと大いに関心を抱いていたからであります。
 最近ねぇ、偶然にも「ロマンシュ語は、日本語で読める学習書がないから勉強できない」って話を他者(言語好きとかでは全然ない人)として、自分の口からそう言うことで我が国でのロマンシュ語学習のし辛さを改めて確認したばかりでしたので、なんだか嬉しさもひとしおです。
 次は是非ブルトン語を・・・!
 いけなくもないでしょ?ねっ?ねっ?

2014年5月30日金曜日

忘れかけてました

♪Decapitated - Carnival Is Forever

 自分がブログ持ってるなんてこと、忘れかけてました。私はよく見るブログ、初見のブログ関係なしに、最終更新の日付を確認するクセがあるのですが、そいういう人から見れば、このブログが放棄されたと勘違いされたとしても仕方ないですね。いやいやしてません。たぶん、精神的に余裕がなかったんだと思います。大事があったわけじゃあないですが・・・。
 放棄はしてませんでしたが、放置してはいました。しかしそれでも人は各々の検索結果からここを訪れる。何か価値ある情報はありましたか?でしたらよいのですが。
 相も変わらず言語の勉強が好きです。最近はヘブライ語、ポーランド語にお熱です。ポーランド語はややこしいですね。個人的には、スラヴ系言語で、ロシア語と並んで最も扱い辛い言語だと思います。学習経験のあるスラヴ系言語の内、比較的平易に感じるのはセルビア語並びにクロアチア語、続いてチェコ語。やったことはありませんが、マケドニア語なんて、格がないそうですね。本があれば是非勉強してみたい言語のひとつです。
 メタル熱は・・・薄れかけてるとは言いませんが、なんか最近あんまり聴いてませんね。とは言え、聴いてる音楽のジャンルはと言えば専らメタルなわけですが。
 うるさくてかなわん!みたいなのが聴きたいんですが(ボリューム上げて聴けよ、とかそういう話じゃなく)、ヘヴィメタルの中でも異端に傾倒してる連中の演奏でないと、そういうのなかなかないんですよねえ、実は。
 Metallicaが出てきた当初、彼らの音楽性はヘヴィメタルフリークスにすら「こんなもん音楽じゃない」と言われたそうですね。過激さを追求しているのは大いに結構ですが、「音楽じゃない」ものは聴きたくないんでね・・・アヴァンギャルドメタル(エクスペリメンタルメタル)に救いを求めてるんですが、なかなかいいのがないっすねえ。あ、でも、探索の最中に知ったThy Catafalque(ザイ カタファルク)のRengeteg(レンゲテグ)ってアルバムは結構良かったです。ハンガリー人による1人バンド(かつては相方がいた)で、歌詞はすべてハンガリー語(ココポイント高し!)。アヴァンギャルドに分類されてますが、少なくともこのアルバムはブラックメタル寄りです。1人バンドによくあるドラムがプログラムによるものであり、これに抵抗を持つ人って少なくないと思うんですが、それが大丈夫ならThy Catafalqueが現在所属するSeason of Mist自身がYouTubeでフルをアップロードしてるので、ご一聴あれ。
 Mastodonみたいにガシャガシャしてて、Strapping Young Ladみたいに重厚感も疾走感もたっぷり、SYLやDarkaneのようにインダストリアル要素が味付け程度に含まれていて、Viraemiaみたいにメカニカルなピロピロが入ってて(Brain Drillはセンスが感じられないのでダメ)、Annihilator(というかJeff Waters)みたいに歌えるギターリフが奏でられてて、Rusty CooleyJeff Loomisがやってるようなクッソ熱いギターソロが聴けて、Dimmu BorgirとかCradle of Filthがやってるようなオーケストレーションバリバリで大仰すぎない方向性のブラックメタルみたいに単調さもある(いやこの2つのバンドも好きですけどね)、・・・そんな都合のいいメタルバンド、いませんかね?
 Strapping Young Ladは実は凄く理想に近いバンドだったんですが、厳密に言うと、中でもCityというアルバムがいいわけなんですよ。最後のアルバムとなったThe New Blackに至るまで方向性はそのままでしたが、3rd以降どこかつまらなくなってしまった惜しいバンドです。まぁ、Devin Townsend自身が、The New Blackが出たばかりの頃のBurrn!のインタビューで、いい年していつまでも怒りまくってファックアティテュードを振りまいてるわけにもいかなくなったって言ってましたしね。その通りでしょう、それは。年取って且つ子供までできてしまえば致し方のないことです。俺はもっと、もっと!の姿勢が強くなってきてますが。
 Death AngelThe Dream Calls for Blood、聴きましたか。Relentless Retributionも良かったですけど、なんか凄いスラッシーなもん出してきてビックリしました。前作がメロディアス志向なら、今作はブルータル志向。重くて暗いものができそうだってRob Cavestanyが言ってた通りではあるんですが、なんかForbiddenOmega Waveみたいなものが出てくるかと思ってたんで、ここまでスラッシーなものはまったく予想外で嬉しかったです。Exodusの、The Atrocity Exhibition...Exhibit Aと、Exhibit Bの違いに似てます(と言っても、前者はRelentless Retributionほどメロディアスなボーカルラインが豊かであるというわけではないですが)。俺はRob Dukes加入以降のやたらとヘヴィな路線もいいものであることにAで気付かされましたんで、Aもかなり好きなんですけど、Bも勿論、スラッシュメタルファンとして諸手を挙げて歓迎したいデキでした。
 そんなわけで、メインストリームに位置する(若しくは、そこに近い処にいる)バンドが悪いってわけじゃあないんですが、なんかもっと、こう・・・こう・・・もっとヘンなの、いないんですか!

 うるさくてヘンで、だけど一緒に歌える要素も多いバンド、求む!

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