2011年3月21日月曜日

La Collection des Meilleurs Succès d'Eithne

 Enyaは結構聴いたことある曲が入ってました。少なくとも4、5曲。
 Chicagoはまだ聴いてないけど、ブックレットは読んだ。
 「Bostonみたいなバンド」だと思ってると昨日書いたが・・・まったく違うっぽいね。ブラスロックのパイオニアかあ・・・。ノリのいい曲てんこもりだといいな!
 EnyaことEithne Patricia Ní Bhraonáinさんの歌は、思ってたよりもずっと力強かったです。もっとバックに埋もれるような歌声を披露してる歌手って印象があったけど、なんか誰かと勘違いしてたみたい。
 Wikipedia.enによると、彼女の本名は/ˈɛnʲə pəˈtrɪʃə nʲiː ˈvˠɾˠiːn̪ˠaːnʲ/と発せられるようです。
 アイルランド語ほど仮名転写の難しい言語は知らないので転写自体が無茶ではありますが、敢えてしてみると「ニャ・パトシャ・ニィー・ヴリィーナーニュ」って感じでしょうか(太字に強勢)。
 私が覚えているアイルランド語の音はコシュ・アーリゲ方言のもののみで、これはエーラの南西に位置するクレア州の地名。エニャの出身は北方のドニゴール州で、その辺で話されるアイルランド語は同言語の有力な方言のひとつであるアルスター・アイルランド語というそうです。
 たぶんそれぞれの話されている方言を特徴づける発音に、ひとつの言葉を取ってみても多少違いがあると思われますが、覚えている限りではコシュ・アーリゲ方言でも同じように彼女の名は発音される・・・はずです。aoで「イー」は最初知ったときぶったまげました。たとえばdaoine(=gens, personnes)は「ディーニャ」って感じの音です。
 ちなみに英語化した名前はEnya Brennanと言いますが、Bhraonáinも本当はBraonainという綴りで、直前の前置詞・níがある為にBがBHになっています。たしか暗音化という現象です。BHはまた、/w/の音を持つ場合もあります。
 その他、T > THは無音に、S > SHは不変、P > PHはフランス語のtéléphoneの如く、C > CHはロシア語のхорошоの如く、G > GHはアラビア語のغرفة(ghurfa)の如く、D > DHも同じく、F > FHは無音、M > MHはフランス語・oignonの如く変わります。なんせかなり前に習得した知識なので、どれかは間違ってるかも。
 EithneのNとBhraonáinのNの音は、前者が狭音、後者が広音という違いがあります。これは後に付く母音によるもので、a, o, uが付けば広音、e, iが付けば狭音です。フランス語のGにa, o, uが付けば/g/に、e, iが付けば/ʒ/になる現象に似ていますが、aimer > nous aimonsしかしmanger > nous mangeonsのような綴り上の僅かな煩わしさとは比べ物にならないほどこの広音・狭音の扱いは面倒ですし、面倒でした。アイルランド語の綴りが奇妙で、且つ読み辛いのは十中八九この広音・狭音のせいです。
 しかし難読であるが故に目にするだにとても面白いのは否めないところで、歌詞カードでアイルランド語が見られて幸せです。Celtic Womanとか買えばもっと読めるのかしら。U2もアイルランド語で歌ってくれたらいいのに(エニャと違ってメンバー誰も全然知ってなさそうだけど)。
 さーてChicago聴くかな。

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