2011年3月11日金曜日

セント・オブ・オーガスト

♪DIR EN GREY - UROBOROS


 今聴いてんのはディルですけどね。
 
 さてさて聴きましたよ、ザ・バンド・アパート / セント・オブ・オーガスト。
 
 いや~・・・まさかフュージョンだったとは。
 どういう歌を歌ってるバンドか知らないまま、歌詞カード見ないままで聴きだしたもんで、1曲目のPhotographで英語が流れてきた瞬間、「しまった!」と。バンド単位で活動してる人らが英語で歌っててうまいなと思ったためしがないもんで。
 で、まあ核心たる内容について言っていく内に出すべき話題なんだろうけど、先に言っておく。
 ヘタです、ボーカル。
 英語の発音云々とかはね、日本人で日常的に英語喋ってるわけじゃなかったら(知らんけど)こんなもんじゃない?というか、俺自身絶望的に英語の発音がヘタクソなのでなんとも言う気になれんです。
 そんなこと以前に、ダメ。力なさすぎ。清水翔太とかみたいとまでは言わないけど、男でこういう歌い方するやつ許せない。まぁ、圧倒的にうまかったり、どう考えても楽曲の中心になっていると思えるくらい存在感がデカかったら別だけど・・・。
 歌唱以外の演奏は文句なし!音質も良好で耳に心地良いです。
 しかしフュージョンだとは。くどいようだが、フュージョンだったとは。なんかすごい骨太なロックをやってくれるもんだとばかり思ってて・・・「メタルに影響を受けたメンバーがいる」という前情報のせいもあったのかもしれないけど、それにしたってフュージョン出てくるとは思わんよ。ロックバンドブーム全盛っ子だったせいもあるのか、「バンド」って聴くとやっぱ「ロックバンド」なんよ。バンド名からして「バンド」を含んでるとなるとね。もう聴いたことあるからどんな演奏してんのか知ってるけど、これだったら凛として時雨とかの方がよっぽどフュージョンやってそうだろう。
 さてフュージョンが悪かったってわけじゃないです。演奏力は素晴らしいの一言。場面によって明らかに、そして且つさりげなくテクい。
 演奏で売ってるのか歌のメロディラインで売ってるのか知らないけど、歌は終始インパクトに欠け、歌い手の力量不足もあって自然と演奏に聴くことの楽しみを見出そうと集中してました。
 これもくどいようだけど、メタリックなフレイバーは全然なく。曲名を覚えないタチなんで、なんて曲だったのか、何番目のやつだったのかすら覚えてなくてトラックリスト見てもわかんないけど、左チャンネルで明らかに浮いたピロピロギターソロが聞こえてきたところくらいすかね、メタルだなと思ったのは。
 でもメタルが含まれてるとか、そもそもこのレコードには不釣合いなんで、なくてよかったです。いや、どこかにアクセントとしてズクズクリフとかあったら面白かったかもしれないけどね。
 凛として時雨とか9mm Parabellum Bulletとか、今は演奏力がもてはやされる時代なんですかね。マニアックでないリスナーの間じゃ邦楽史上かなり珍しいんじゃ?
 どういうところに端を発する流れなのかわかりませんが、最近のバンドにとっては歌のメロディで人々を魅了する時代から玄人志向の演奏で聴き手を圧倒する時代へ。しかしメタルリスナーでありながらあまり嬉しくない。ここが日本だからかな。やっぱり俺も歌謡曲好きですもん。そうじゃなかったら赤い鳥とか気になんないよ。
 こういったバンドがギターのテクだとかドラムの難度なんかを全然知らない人々に強い存在感を覚えさせているのだとしたら、今のこういう音楽を聴く一般人の選定眼って結構いいものになってるんじゃ?凄い時代になったもんです。今いる人は常に進化し続けることを求められ、これからデビューするバンドは○○と比べてどうこうと言われる。ヘタなことできませんな。
 Scent of August、遅ればせながらテクニカルJ-POPシーンへ進入したがっている俺にとってとても良い入口となる一枚でした。
 
 それにしても今のインディーズバンドはいいジャケとアートワークでCD流通させてもらってんだな~。

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